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旅行記からは若干脱線するのですが、僕にとってものすごく重大なニュースが最近飛び込んできたので、今回はその事について書いてみようと思います。まぁ、これもこの旅行中のリアルな出来事ということでお付き合いいただければ。

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高校時代に部活で一緒にギターを弾いていた先輩が、もうじき日本屈指のメジャーレーベル、AVEXから本格的にデビューしようとしている。(僕はオンエアを見れていないのだけど)コカコーラのCMで「Sunday, Monday, Tuesday~~♪」と歌っているLayla Laneというバンドの男性ヴォーカル&ギターを担当しているHedayがまさにその人。

彼は冗談抜きで僕の人生に一番大きな影響を与えてくれた人かもしれない。夢というものは自分の力で切り開きながら叶えていくものだということを高校時代からずっと体現してくれているのだから。高校時代、僕らは同じクラシックギター部に所属していたのだけど、彼はプライベートでもロック歌手になることを夢見てオリジナルの楽曲をいくつも書いていた。そして県内屈指の進学校でトップクラスの成績を修めていたにもかかわらず、卒業後の進路は単身渡米し音楽修業へ。周りの雑音など気にせず、自分の大きな夢を公言し追いかける姿は、その後の僕の進路選択にも大きな勇気を与えてくれたものだ。

その後、スタジオミュージシャンとして有名なプロデューサーに懇意にしてもらっているだとか、リンゴ・スターと共演しただとか、事あるごとに驚くような便りが聞こえてきてはいたのだけど、数か月前には自身の楽曲がコカコーラのCMに採用決定とのニュースが。そして今度はAVEXからのメジャーデビュー。誰もが憧れるようなサクセスストーリーではないか。きっと彼は色々と恵まれた環境にいたのだろう。でも単なる運のよさで以上に、幸せの青い鳥が近づいてきたときに確実に捕まえることのできる実力を彼が備えていたことは間違いない。渡米後の彼の軌跡についてはLayla Laneのプロフィールページに詳しく載っているが、読んでいて溜息が出た。先輩、どこまで突き抜けてるんですかと。

実際、高校時代から彼の楽曲作りのセンスは際立っていた。ビートルズやクイーンに憧れて、基本的に歌詞は全て英語。作編曲も彼自身が行い、ヴォーカル、ギター、ベース、ピアノ、ドラムの全てを一人でこなしながらデモテープを作っていた。当時、バンドの真似ごとのようなことをしている友人たちはたくさんいたけれど、ほぼ全てをオリジナルで通す彼は完全に次元が違う。僕のiTunesの中には当時の彼のアルバムがそのまま入っていて、今でも他の普通のヒットソングと同様に聞きたくなる時がある。いつの日かLayla Laneがブレークした暁にはリメーク版でも聞ける時が来るだろうか。

20世紀から21世紀へと時代が変わる頃、当時ブームだった3Dグラフィック制作に夢中だった僕はと言えば、PCに明るいからということで、同じクラシックギター部所属なのに部活外では裏側の技術的な事をよく手伝っていた。MTRから持ってきた音源をPCでマスタリングしたり、当時はまだ希少だったCD-RドライブでオリジナルのCDを作成したり、デジカメで写真を撮って本格的な歌詞カードを作ったり。僕自身、ギターに関しては楽しんでは弾くけど、彼のように音楽に対して全身全霊を傾けることはできないことはなんとなく感じていたから、むしろ自分の一番得意な分野で必要とされ貢献できることはとても嬉しかった。お互いに相当な凝り性だった僕らは高校生ながら徹底的に「プロ品質」を目指し(まぁ、今となっては笑いたくなるようなレベルなのだが)下手な専門学校の課題よりもよっぽど刺激的な制作活動をしていたと思う。

彼については忘れられないエピソードや名言がいろいろとあるのだけど、最も印象に残っている姿は、高校生のバンドコンテスト静岡県予選。その前の地方予選を圧倒的な実力で勝ち上がり、迎えた全国大会への最終関門。ここを一位で通過できれば、各メジャーレーベルも注目する東京での全国大会行きの切符が手に入る。その時の演奏曲も例によって完全な英語詞による、クリスマスをテーマにしたオリジナル曲だった。しかもバンドメンバー全員がビシッと決めたスーツ姿。身内からの目線だけど、彼らの演奏は少しおかしいほどに高校生離れしていたと思う。会場の反応も感動というよりはむしろ驚きに満ちていた。英語の歌詞じゃ何を歌っているかよくわからないし。

気になる結果はまさかの「審査員特別賞」止まり。笑顔で賞状を受け取る他バンドの人たちとは対照的に、憮然とした表情で「全国大会を目指してここまで来たのに残念です」とだけコメントを残した彼の姿に、僕は頂点を目指すことのカッコよさと、それを実現させることの大変さを見た。全国大会には県大会で勝利したひと組のバンドしか行けないのだから、それ以外は負け同然。頑張ったで賞なんていらない。でも、今にして思い返せば、あの時の敗北があるからこそ、大きく遠回りして、成長して、今回のLayla Laneとしてのメジャーデビューが決まったのではないかとすら思う。まさにConnecting the Dots、その時にはわからないかもしれないけど、過去の出来事は全てが未来へと繋がっている。

そう、過去の出来事を思い返せば、僕がWebサイトを作り始めたのだって彼がバンドのホームページを作りたいと言い出したのが始まりだった。その要求に応えようと、本を読みながら見よう見まねでhtmlを書き始めたのが、僕の初めてのWebサイト制作。フレームとかエンボスとか当時の最先端(笑)な技術をたくさん使った典型的な拙いサイトだった。当時はまだ3Dに費やす時間も長かったのだけど、その後学割を使って購入したFlash5に夢中になり、僕はいつの間にかWeb業界への道を主に志向することになる。だから、彼が「僕の人生に一番影響を与えた人」だというのは掛け値なしの真実なのだ。

3年越しの計画の果てに実行に移せた世界一周旅行。僕自身、それなりに結果を出し続けているという自負はあるのだけど、当時から10年近くたった今でも、あの尊敬する先輩に追いつけた気が全くしない。いや、むしろ引き離されてるか。あぁ、身近に背中を追える人がいるというのは何て幸せなことのだろう。僕もアクセルをベタ踏みにしてもっともっと突き抜けたい。自分自身の理想の姿を追いこみたい。きっと一生満足なんてできないことは知っている。ただ、その「先」へと進む興奮を味わいたいだけ。帰国後のことをぼんやりと考えている最近の僕には、この彼の飛躍のニュースは単なるめでたい話を大きく超えた意味があるのだ。

他人との比較は意味がない?僕も他人と比較して落ち込むことに意味はないと思っている。でも、小さな自己満足で終わってしまうより、強制的に上を向かせてくれる存在が身近にいるのはいいことだと思う。別に彼と同じことをしたいわけではない、彼の飛躍が素直に嬉しく、羨ましいのだ。羨ましければ自分もやってみればいい。実際、彼は高校時代からスーパーマンのようだったけど、それでもやっぱり生身の人間であることは僕も十分に知っているのだし。単にいつものように狂ったように音楽に打ち込んだ結果がこれなのだろう。僕もその姿勢をもっと見習って自分の限界を越えていきたいと思う。

というわけで、僕の高校の先輩が作ったバンドLayla LaneがもうじきAVEXからHappy Laneというシングルでデビューします。もうAmazonからも予約購入できるみたい(しかも今なら送料無料!)。よかったらこのエントリーを読んでいるあなたも買ってみてください。これでヒットチャートを賑わしてしまったら本物だけど、どうなるのかなぁ。まぁ、僕はもう彼が何を達成しても称賛こそすれそこまで驚きはしないだろうけどね。

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イスタンブールは前回の冒頭にも書いたとおり、アジアとヨーロッパの合流点、つまりユーラシア大陸を旅する旅人達が一堂に会する場所でもあるのです。そいう土地柄なので安宿の数もかなり多く、数が多ければ競争原理が働いて宿のクオリティも上がる、ということになります。実際、hostelworldで検索すると、85点以上の高評価を得ている宿が目白押しです。経験上85点以上ならまず外れることはまずないのですが、こんなに多いとさすがに目移りしちゃいますよね。そこで今回はここイスタンブールを例に僕の安宿の選び方を説明してみようと思います。

まず、部屋の形態はコスト的にドミトリーで問題なし。4人部屋くらいが落ち着いていていいのですが、あまりにも値段に差が出るときは大部屋も検討します。そして重要なのはできればミックス(男女一緒)部屋を選択すること。もともとミックスしか設定のない宿ならなお望ましい。これは何も可愛い女の子と同じ部屋で寝たいなどという下心があるわけではないですよ。大丈夫、好みど真ん中の女の子が同室になることなんてまず無いですから。では何故ミックスを選ぶかというと、いびきのうるさいおっさんを避けるためです。公害並みにうるさい人、結構いますからね。耳栓すらも無力化する大音量とか。対して女性でいびきをかく人は殆どいないので、夜はとても静かで寝安いんですよ。

続いて一番重要なレーティング要素を。まず最初に気にするのはStaffですね。僕は安宿の一番の肝はスタッフだと思っています。建物や設備のようなハード面はコストと直結してしまうので普通のホテルに敵わないのは当然ですが、スタッフの態度などソフト面ならその場で働いている人たちの工夫でどうにでもなりますから。以前も書いている、バンコクのNiras Bankoc、ギョレメのYashin's Backpackers Cave Hostelなどもそうなのですが、親切な安宿のスタッフはとてもフレンドリーに旅人の相談に乗ってくれていました。ある意味、バックパッカー向けのコンシェルジェ。態度は若干フランクではありますけど、超一流ホテルの提供するパーソナルなサービスにも劣らない親切さです。

次はCleanness。安宿は汚くて当然と思われているかもしれませんが、意外と綺麗なところも多いんですよ。しっかりしているところは専任のスタッフが一日中掃除をしています。豪華と清潔は全く異なる要素。シンプルなベッドだけの部屋でもきちんと清掃されている宿は暮らしていて居心地がいいです。こっちが寝ていようと昼前には掃除のおばちゃんが部屋に入ってくるのはご愛嬌。放置されて部屋が汚いままよりずっといいです。

Locationは街の性格によりますね。小さな街である程度のエリアが徒歩圏内なら街の真ん中や駅の近くにある方が便利でしょうし、どこに行くにも公共交通機関を利用しなくてはいけない場合は、多少中心から外れていたとしても他の条件を満たすことを優先した方が安くていい宿をとれる気がします。イスタンブールの場合は、新市街と旧市街に別れていたので、各エリアでアクセスがなるべくいいところを選ぶようにしました。

レーティングで最後に外せないのは、Funの値が低めであること。低い方がいいって意外ですか?これは客層の問題なんです。欧米出身の若い旅行者は日本人の旅人とはかなり傾向が違っていて、旅行に来たら騒いでなんぼという人達がすごく多く、彼らと話をしていると大体その街のナイトクラブとかパブの話がメインになります。Funの値が高い宿は往々にしてそういう騒ぐことが大好きな人が集まるパーティ宿のケースが高いのです。時にはスタッフが率先して宿泊客を地元のバーに案内してくれることもありますよ。でも、単に酒を飲んでバカ騒ぎをすることは僕の趣味ではないですから。こういう人達を避けるために、敢えて「楽しくない」宿を選ぶことも多いです。そうした結果、純粋に旅を楽しんでいる人たちに出会え、彼らと杯を交わしながらのんびりと語りあうなんてことも発生したりします。

宿泊者からのレビューは参考程度に。高評価な文章は気にしないのですが、定評かな内容はしっかり読みましょう。偶然何かが壊れていたとか、オーバーブッキングされていたとかはたまにあるので仕方がないと思うのですよ。ただ、スタッフの態度が悪かったとか、物が頻繁に盗まれるというようなレビューが直近に頻発していたら要注意ですね。

価格に関してはそれほど気にしていないです。そもそもhostelworldから見つけるドミトリーの部屋なら安さは十分なので。おそらく、このブログの読者の方は理解されていると思うのですが、最安値を狙ってオンボロのところに行くならば、多少余計に払うことになっても評価の高いところに行きたいというのが僕の旅のスタイルなのです。言うならば、僕はファーストクラス バックパッカーなので安宿でもファーストクラスなところを取るよということで。

そんなわけで、僕がイスタンブールの宿として決めたのは、Chambers of BohemeAgora Hostelという二ヶ所です。hostelworldで詳細を見てみると、上記の検討プロセスにうまくマッチした宿だということがわかると思います。宿泊してみた結果もまさに僕の狙い通りの宿で両方とも清潔で落ち着いた雰囲気。どちらも甲乙付け難しですね。

新市街のメインショッピングストリート、イスティクラ通りから一本だけ入ったところにあるChambers of Bohemは名前の通りボヘミアンなデザインで一階と二階はお洒落なカフェスペース。朝食はそのカフェで出される美味しいコーヒー付でした。食べ物の持ち込みは残念ながら禁止でしたけど、カフェに置いてあるクラシックなソファに腰掛けながらPCを使えるのもポイント高し。

対して旧市街の裏側に位置するAgora Hostelは最上階にあるオーシャンビューのテラスが自慢。朝食はその最上階で取るビュッフェ形式で、パンやシリアル、ゆで卵といったベーシックなものだけでなく、数種類のハムや自家製のブラウニーまである豪華さ。この一帯は安宿が集まっているエリアらしく、付近にはお手頃価格のレストランも多かったです。

一口にドミトリーの安宿と言ってもいろんなキャラクターがありますよね。前回紹介したような日本人宿だったり、朝までバーが空いているパーティー宿だったり、お洒落なブティックホステルだったり。自分がどんな宿が好きかというのをしっかり把握しておくと、ハズレを引くことが少なくなってくると思いますよ。そして、敢えて自分の趣味じゃないところに挑戦してみるのもまた一興だったりします。特にヨーロッパはhostelworld的激戦区なので、いろいろな宿があって楽しいですよ。

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アジアとヨーロッパの掛け橋、その言葉が文字通り当てはまるのがボスポラス海峡にまたがって広がるトルコ最大の都市、イスタンブールです。当初の日程ではギョレメからパムッカレという石灰棚と温泉で有名な保養地を訪ねることも考慮に入っていたのですが、当時は完全な観光地をハイテンションで過ごすというよりも、むしろ都市型の生活でのんびりしたいという気持ちの方が強く、シンさん&トモコさんと一緒にイスタンブールを目指すことにしました。ギョレメから夜行バスに乗って10時間程度、街のシンボルとも言える巨大なモスクの尖塔が見えてきたときにはかなり興奮しましたよ。

イスタンブールはボスポラス海峡を境にアジア側、ヨーロッパ側と別れています。多くの歴史的見どころが集まっているのはヨーロッパ側の南側、金角湾によって隔てられた旧市街エリアです。その北側にある新市街は近代的なビルとショッピングエリアが広がった大都会になっています。計画段階から楽しみにしていて街だったということもあり、事前に新市街と旧市街でそれぞれ5泊ずつ、合計10日間の宿をhostelworld経由で予約していたのですが、やや前倒しで到着してしまったので繋ぎの宿を確保しなくてはいけません。そこで、今回は中東を巡る日本人バックパッカーの常宿となっているツリーオブライフというところを利用してみることにしました。

ブルーモスクから徒歩10分弱、トラムの走るメインストリートから一本入った雑居ビルの中にツリーオブライフはありました。薄暗い階段を上って4階のレセプションまで行くと、そこは絵に描いたような典型的な日本人宿。本棚には地球の歩き方と漫画がギッシリで、どの時間に行っても誰かがタバコをふかしながらそれらの本を読み漁っています。ちなみに、ここで働いているスタッフの人は正規雇用者ではなく、長期滞在している人が宿代(+お小遣い)と引き換えに住み込みで「管理人さん」をやっているようです。オーナーさんは別のところに住んでいてたまに顔を出す程度とのこと。実は法的にはグレーゾーンらしいのですが、宿代を節約したい貧乏旅行者と、人件費を節約したいオーナーさんとのウィンウィンソリューション。ビジネスモデル的にはありかもしれません。

このツリーオブライフの魅力は何と言ってもその安さ。ドミトリーが1泊8ユーロというのはイスタンブール価格としては激安の部類に入ります(ちなみに後日滞在することになるhostelworld経由で予約したところは1泊15ユーロします)。しかも、同宿の日本人同士で一緒に自炊してしまえば生活費は更に劇的に下がってしまうわけで。滞在費を出来るだけ低く抑えたい貧乏旅行者には最適の宿と言えるのではないでしょうか。しかも、世界中の地球の歩き方が揃っている上に、運が良ければその足で実際に旅してきた人たちも滞在している可能性があるのです。今後の旅のプランを練るにもよさそうですね。

ただ、僕自身は正直なところ宿に流れている雰囲気がちょっと苦手でした。言い方は悪いかもしれませんが、淀んでいるというか、日本人の旅人の特徴的な人生に退屈したグダグダな感じが漂っているのです。ダハブのセブンヘブンは、ダイビングに夢中な人が殆どで潜らない人たちも毎日の暮らしを楽しんでいたのですが、このツリーオブライフでは「ヒマだ、今日は何をしよう」的な会話が聞こえてくるんですよね。面白そうなことはそこらへんに転がっているにも関わらず。まぁ、直接話してみればいい人たちが多く、よく話に聞く「偉そうな古株」な人はいなかったので、表面上の人間関係はスムーズでしたけど。ある意味これも日本人的。あとは、お世辞にも清潔といは言えないところも僕にはマイナス。激安宿なので文句を言えないところではあるのですが、プロじゃない管理人さん一人に清掃まで任せておくには限界がありそうです。

それでも、これは単に僕の嗜好と合わなかったのが問題というだけで、安さとか日本人の仲間、情報に重きを置いている人たちには、ツリーオブライフはかなりアリな選択肢になると思いますよ。僕自身、最終日はひたすらスラムダンクを読み続け、一晩で全巻制覇とかしてしまいましたし。こんな外国まで来て日本の漫画を読み耽っているなんてかなり不思議なシチュエーションなのですが、ある意味日本人宿を満喫したと言っていいのではないかと。

では、僕がhostelworldで見つけた宿はどんなところか、という話はこのエントリーが長くなりつつあるので、次回に続きます。せっかくなのでhostelworldの利用に対するティップス的な内容も書いてみますね。

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