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ルクソールへ寄り道当初の予定ではエジプトはカイロに一週間滞在したらそれで終わりのはずだったんですよ。でも、カイロの宿でルクソール&アスワンへのツアーを猛プッシュされたおかげで気になりだしてしまい、自分でルクソールへの列車を手配してしまいました。ハイ、宿のお兄ちゃんは無駄な努力です。カイロからルクソールへは直通の夜行列車で12時間程度。できれば昼間の列車で車窓から流れる景色を楽しみながら移動したかったのですが、安全上の理由から外国人は夜行列車しか使えないとのこと。寝台車(60USD)とコンパートメント(170EGP≒30USD)のチョイスは迷わずコンパートメントを選択しました。

道中、同室になった日本人の大学生と久しぶりに日本語で喋ったりしていたらルクソールに到着。電車からホームに降りると、軽く20人は超えるだろう客引きの皆さんからいきなりの大歓迎を受けました。覚悟はしていたものの、カイロにも数段増して五月蠅いところのようです。一人の客引きに既に予約していた宿の名前を告げると仲間を呼んできてくれ、彼がそこまで連れて行ってくれるとのこと。まぁ、例によってチップを要求してくるのだろうということは見え見えなのですが、金額は大したこともないので、時間を買っているのだと自分に言い聞かせ道案内をお願いすることにしました。そして、これが意外な効能。彼と一緒にいれば他の客引きたちは寄ってこないのです。まだ宿を決め切れていない他の旅行者達には何人もの客引きがアタックしている様子を見ていたら、これはこれで意外と快適なのではないかと思いだしてきました。

ルクソールへ寄り道ルクソールはナイル川を挟んで東側と西側に別れていて、僕の滞在していた安宿もある市街地は東岸に集中しています。そして、こちらにあるルクソール神殿とカルナック神殿は自転車があれば余裕で回れるということで、到着したその日にサイクリングに出ることにしました。いやぁ、正直驚いた。ルクソール神殿、カルナック神殿ともにものすごくデカイ。歴史背景なんて知らなくてもただその大きさに圧倒されました。おまけに観光地だというのに僕の行った時間はそこまで人ごみもなく、落ち着いてみることができました。

続いて西岸は別の日にタクシーをチャーターしてプライベートツアーを組んでもらいました。とりあえず主要な場所に連れて行ってもらって、一人で観て回って、駐車場に戻るとタクシーがまた待っているという、タイのアユタヤでやったのと同じパターン。コストのことを考えると、その場で申し込める団体ツアーに乗っかったほうが安いのですが、僕の場合一か所に腰を据えて写真を撮ったら他の細かいところには目もくれず移動という事が多く、団体行動には全く向いていないんですよね。誰か、他の旅行者をナンパしてタクシーをシェアできれば安くあげられるのですが残念ながら空振。まぁ、エジプト価格なのでタクシー半日で3500円位(チップ別)と一人でも十分許容できる範囲なのですが。

ルクソールへ寄り道最初に行った王家の谷は残念ながら全面的に撮影禁止。来てしまったので高い入場料を払って入っては見ましたが、うーん、洞穴の中に絵が描いてあっても何も萌えない。。この前のカイロ博物館の二の舞のようです。そして、次のハトシェプスト女王祭殿と言うところは、酷い人ごみで入場する気にすらなれず。ずらーっと並んだ観光バスはある意味壮観ではありましたが。そして不思議なことにその駐車場の周囲にある遺跡群(貴族の墓らしい)には誰も目を向けていないのです。近くの警備員に確認したところ、実際に墓の中に入らなければ歩き回るのは無料な上に写真撮影も問題なしとのこと。近くにいたおっちゃんが勝手にガイドし出したのを無視しつつ、一人きりの遺跡散歩を楽しむことにしました。

ルクソールへ寄り道その後、ラムセウム、メディハブというややマイナーなスポットにも行ったのですが、実際、こちらの方が圧倒的に好印象。誰もいない遺跡に一人で腰かけていると、まるで自分が4000年前にタイムスリップしたようで、追加料金を払ってまで来た甲斐があったというものです。時間が無いからとこのあたりをスキップする人も多いようですが、個人的には前述の王家の谷、ハトシェプストよりも絶対にこの二つをお勧めしたいですね。

ルクソールへ寄り道あと、ラムセウムの出口で遠足に来ていた現地の子供立ちに囲まれて一緒に写真を撮ってくれとお願いされてしまうという場面も。調子に乗ってこちらもカメラを向けたらみんなが大騒ぎでやってきてくれました。どうも、彼らにとってアジア人はかなり珍しい存在のようです。うん、この手のうるささは大歓迎なのですよ。金の匂いを嗅いでやってくる連中と違って彼らは好奇心から近づいてくるだけですから。片言の英語で話してくれた先生もニコニコしていい人でした。ホント、観光産業従事者じゃなければ素朴で素敵な人が多いです、エジプト人。

そして次の予定では、ルクソールから一旦カイロに戻り、そこからヨルダンへ抜ける国境の街、ヌエバに向かう予定でした。でも、ルクソールの宿で「ダハブまでバスで抜けてからヌエバに向かった方が安いし時間の節約にもなるぞ。よかったらチケットの手配をしてやろうか?」と猛プッシュされ、またカイロに行くのなら別のところを経由してみようかと、自分でバスの手配をしてしまいました。ハイ、宿のおっちゃん、無駄な努力です。そして、そんな軽いノリで向かったダハブでまさかあんなことが起こるとは。夕方発の夜行バスに乗り込んだ僕はまだダハブの恐ろしさを全く知らなかったのです。

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26th (Wed)
May 2010

[day67] カイロ観光

カイロ観光カイロには7日ほど滞在していたので、その間に観光名所的なところにも色々行っています。まず欠かせないのはピラミッドですよね。前回のエントリーにもある通り、僕の考えてたエジプトのイメージって砂漠の中にドーンとあるピラミッドだったのですが、到着してみてびっくり、実際にはピラミッドは市街地のはずれにあって、もうすぐそこまで住宅が迫ってきています。そして、夥しいほどの人、人、人。いつもは写真を撮るときにはなるべく関係ない人が写りこまないように注意しているのですが、今回はさすがに無理でした。でも、人が写りこんだところであまり気にならないくらいにピラミッドは大きいのですが。

カイロ観光ここピラミッドに限らずエジプトの観光地の入場料はかなり高めです。ほぼすべてのところで外国人向けの価格が設定されていて、ピラミッドはエリアに入るのに60ポンド(1000円弱)。さらにピラミッドの中やスフィンクスに近づきたい場合は追加料金を支払う必要があるとのこと。なんだか、国を挙げてのボッタクリ政策なような気もしなくはないのですが、さすが主要産業が観光業な国だけのことはあります。ピラミッドや神殿のことを5000年以上続く公共事業と評した人がいるとのことですが、ウマいこと言ったなぁと。ちなみに、エジプトのもう一つの主要産業はスエズ運河の通航料だとか。もう少し何か生み出そうよ、現代エジプト人。

カイロでのもう一つの主要観光スポットであるエジプト考古学博物館(通称カイロ博物館)にも行ってみました。でも、残念ながら正直ピンとくるところは少なかったですね。新王朝とかラムセス何世とか、大昔に昼寝の最中に聞いたことがある単語が色々と出てきたのですが、無造作に並べられた石像を見ていても何も感じるものがなく。自分の背景知識のなさを痛感するだけになってしまいました。ミイラ特別展示室は例によって別料金だったので入る気にもならず。そんな中でちょっと面白かったのが、「Don't Touch」と書いてある張り紙の真下で、警備員自身が石棺に片手を付きながら雑談に興じていたこと。うん、これぞエジプト人クオリティ。

カイロ観光そんなカイロの観光地で一番好みだったのは、オールドカイロ、コプト教地区というところです。実はエジプトは世界中でもかなり古くからキリスト教が信仰されてきた地域で、今でもコプト教という分派の宗徒が国民の10%程度を占めていると言われています。そんなコプト教の人々がイスラム教徒が生まれるよりもずっと前、紀元2世紀ごろから暮らし続けている言われているのが、このオールドカイロエリア。車の入場が制限されてたこの区域は、路地を吹き抜ける風がひんやりとして気持ちいい。のんびりと中を探検していると、小さな教会が何箇所もあり静かにお祈りをしている人が何人も。静かなところは心が洗われるようで歩いていて気持ちがいいものです。

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23rd (Sun)
May 2010

[day64] 中東の洗礼

中東の洗礼カイロに着いてまず驚いたのは異常なまでの車の多さです。エジプトというと、砂漠の中にピラミッドがあってその前をラクダが歩いているようなイメージしかなかったのですが、それが全くの勘違いだと気付いたのは空港から宿へと向かうタクシーの中。大渋滞の中の車たちは車線などという存在は完全に無視。各々がクラクションを鳴り響かせながら、割り込みを繰り返し、なんとか少しでも前に出ようと自分勝手に進んでいきます。「ゆずりあいありがとう」という言葉を彼らに教えてあげたい。とにかく自分だけがひたすら前に進もうとするので交通は常に大混乱しているように見えました。

ちなみに、カイロ市街には信号機というものは殆ど見当たりません。いや、実際、要所要所にはあるのですが、ライトが置いてあるだけでは誰も守ろうとしないので、警官が実際に路上に立って交通整理をしています。でも、それは本当にごく一部だけで、他のところはその場の流れに任せて前進あるのみ。そして、それは歩行者にも同様で、幹線道路を渡りたい場合は、勇気を持って車道に足を踏み入れ一気に駆け抜けなくてはいけないのです。モタモタしていると横から何台もの車がクラクションを響かせながら突進してきます。いや、冗談抜きで。でも、そんな状況でも現地の人は例えお年寄りであろうとも、車の切れ目をウマいこと見つけて何事もなかったかのように車道を普通に渡っているんです。そして飄々と車道を渡っていく彼らを観察しているうちに、段々とコツみたいなものがわかってきました。

それは、とにかく遅い車を見つけること。実は今にも壊れそうなポンコツ車や、ギュウギュウ詰めの小型バスも普通の乗用車にまぎれてよく走っています。そして、やつらは明らかに他の車よりも遅い。その一瞬の隙を見逃さず思い切りよく飛び出せば、車に轢かれることなく無事に車道を渡ることができるのです。なんだかちょっとしたゲームみたいですね。慣れると意外と簡単に渡れるようになりますよ。ただ、あとで先進国に行ったときにもやってしまいそうで怖いですが。

中東の洗礼車が多いということは大気汚染も酷いということ。東京のど真ん中で暮らしていた僕が、「こりゃ敵わん」と思った場所はこの旅でもここが初めてです。カイロの中心地を大体2時間くらい散歩すると、喉が痛くなり目眩までしてくるようになりました。そして、シャワーの際のシャンプーの泡立ちが悪いことこの上ない。黒煙をまき散らす車が街中を埋め尽くしているのですから当然ですね。先進諸国の皆さんは、雑巾を絞るように自国の排気ガス規制なんてことをしないで、むしろこういった国に投資をした方が地球環境的には優しいのではないんですかね。まぁ、利害関係抜きで国際的に環境問題に取り組むのは難しいのかもしれませんが。

車と同時に大変だったのは人のウザさ。エジプトはインド、モロッコと並んで「世界三大ウザい国」のひとつに入ると、日本人の旅人から評される国です。比較的おとなしいと言われるカイロの中心地でも、街をただ散歩しているだけで何人もの客引きに進行方向を塞がれ、「何を探している?僕は君の友達だからどこでも連れて行ってあげるよ」って、彼らは目を一瞬合わせただけで友達になるのでしょうか?そういえば、道端を歩いていて、「君、エジプト人?現地の人に見えたよ、何してるの?」と親しげに声をかけてきた輩もいました。なんか、どこかで聞いたことのある手口だこと。

あとは、何をするにもチップの要求の嵐。「チップは無いの?」みたいに笑顔で言ってきますけど目はかなり真剣。空港から宿へは深夜の到着だったこともあり、ピックアップサービスをアレンジしてもらっていたのですが、善意で僅かながらドライバーにチップをあげてみたら「少ない、ここまでのガス代だけでもいくらかかってると思うんだ!」と怒られる始末。チップが少ないと怒られたことなんて今まで一度もないですよ。ってか、ガス代はチップじゃなくて宿から支払われる正規の料金内に含まれるべきでしょ。

いや、エジプト人みんなが嫌なやつというわけではなく、大部分のローカルの人たちはいい人が多いのです。観光産業に携わる人たちに関してはある意味観光客から少しでも多くお金を巻き上げることが仕事なんですよね。だからとりあえずボッタクリ価格を提示するのも当たり前。常識、良識なんてものは生まれ育った環境によってこうも変わってしまうものなのかと。なんだか、タフなところに来てしまったようですねぇ。

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