テルアビブ

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5泊間の滞在だったエルサレム、旧市街を散歩したり、新市街で食事したりしていたらあっという間に時間が過ぎ去っていきました。ベツレヘムやガザ地区に足を伸ばしてもよかったんですけどね。新市街にあるユダヤ人地区での食事が美味しすぎて、ついついエルサレムに居付いてしまいました。サラダとかハンバーガーとか、特にローカルな食事というわけではないのですが、不思議と味付けが僕の舌にあうのです。これまでに旅した国々の中では一番。実は今後のヨーロッパを含め、旅の全行程の中でも五指には入るであろう食事の美味しい街でした。これから、エルサレムに行く皆さん、安いケバブばかり食べていないで、たまには洒落たバーやレストランに入ってみるのもアリですよ。ユダヤ人クオリティ、相当なハイレベルです。

さて、今回の出発便は土曜早朝発のルフトハンザでフランクフルト経由リスボン行き。わざわざフランクフルト経由にしたのは、もちろんフランクフルトでのファーストクラスラウンジ(今回はターミナルではない)を期待してのことなのですが、その話はまた次回。むしろ、ここでの争点はその土曜早朝発というフライト時間です。僕自身、エルサレムに着いたあたりで気付いたのですが、ユダヤ教の安息日の影響で金土曜は公共交通機関が麻痺状態になるエルサレムにおいて、土曜早朝発便の使用というのはかなりいただけない。バスのタイムテーブルを確認したところ、金曜午前にはテルアビブに向けて出発しないと次の便は日曜までないとのこと。

さすがに、丸一日も空港で無駄にするのは嫌だったので(それに寝坊も怖いですし)、ダメもとでPalm Hostelのオーナーに相談してみたところ「うちはイスラム系だからユダヤの休日なんて関係ない。金曜の夕方に出発するシャトルバスがあるからそれを手配してやる。希望の時間は何時だ?」という頼もしい御返事が。金曜日の一番遅いやつでよろしくとお願いしてみたら、結局、最終のバスは20時発。荘厳な事で有名な金曜夜の嘆きの壁は、ちょうど人が集まりだしたタイミングで撤収となってしまいましたが、それでも人々が聖歌を歌い出すところまでは見ることができたのはラッキーだったかと。いつか再訪の機会があれば、しっかりとした形で目に焼き付けたいものです。

各ホテルでお客さんをピックアップしたバスは高速道路に乗ってテルアビブ国際空港へ。旅行中に乗る民間のバスは得てしてそうなのですが、今回のバスも有り得ないくらいのスピードを出しています。スピードメーターは見えませんでしたが、追い越し車線をひたすらに爆走。隣の路線を走る乗用車たちを軽々と抜いて行きます。当然のように抜かれたら抜き返すし。売られた喧嘩はきっちり買っていくのがこっちの運ちゃんのルールなのか。そこで脳裏によぎったのが深夜特急での暴走バスドライバーによるチキンレースの話。よかった、イスラエルは両側に車線があって。

バスはそんな運ちゃんの頑張り(笑)により9時過ぎにはテルアビブ国際空港に到着。ピックアップの時間を除くと、実質1時間以下で空港に着いてしまった計算になります。テルアビブからエルサレムに来たときはバスターミナル間の移動だけで1時間はかかったのに…。ただ、どんなに早く着かれたところで僕のフライトまで早くなるわけはなく。朝6時のフライトということはチェックインは午前3時。我ながら妙な時間のフライトを選んでしまったものです。とりあえず椅子と電源は確保できたので、PCで写真を整理したりブログを書いたりしていれば6時間なんてどうにでも消化はできますが。まぁ、あまりにも長く滞在していたので、途中で軽く職務質問的なものを受けてしまいましたが、チケットの控えを見せたら納得してもらえた模様。

出国ゲートは入国時に比べればマイルド気味と言えるでしょう。パスポートを提出した時に「なんでハンコがないんだ」と聞かれたのですが「僕は押してもらうのは全く構わなかったんだけど、別室送りにされた上にスタンプは他の紙に押されたんだよ」と半ば逆切れ気味に答えたら「ふーん」とスルーされ、出国スタンプもなし。あくまでも予想ですが「これから中東の国に行きたいから」とか答えていたら笑顔で出国スタンプを押されていたような気がします。まぁ、おかげで僕のパスポートにはイスラエル入出国の形跡が全く残っておらず、多くの人に羨ましがられるのですが、うーん、なんかもやっとだなぁ。

とにかく、これで遂に中東エリアともお別れです。2月の中頃にドバイ入りして以降(ヨーロッパでの若干の道草を挟みましたが)、自分が今まで当然だと思ってきたことが当然出ない世界は新鮮であり、新しい気付き、発見、そして出会いと旅の醍醐味を満喫できた90日間でした。国際政治に関する報道で見かけるような危険さも全くなく、治安もよく人々は優しいいい地域でしたね。さすがにイラクなどの完全な紛争地域は避けるべきですが、それ以外のところには是非とも多くの旅人に訪れてもらいたいものです。きっと、様々な新しい発見があると思いますよ。

次はいよいよ、ヨーロッパ電車の旅が始まります!

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Tel Aviv Night Outイスラエルの都市というと真っ先に思い浮かぶのはきっとエルサレムですよね?僕自身も当初はテルアビブ空港からエルサレムに直行しよと考えていたのですが、当時書いていたAdobe Edgeの記事の関係でINKOD HYPERAというイスラエルでもトップクラスのWeb制作会社とコンタクトがとれたので、取材を目的としてテルアビブ市街にも立ち寄ってみることにしたのです。

テルアビブはユダヤ人の入植に伴い地中海沿いに発展した近代的な都市でイスラエル経済の中心を担っています。下町的なところは中東の都市独特の灰色な雰囲気をまとっているのですが、市街地には高層ビルが立ち並び、ヘブライ語で書かれた看板がなければ他の先進諸国の主要都市と大して変わらないような見た目をしています。そして地中海に面した海岸は綺麗に整備され、ビーチには当然のように水着姿のお姉さんがたくさん!

いや、この水着の女性が普通という状況は男性の目の保養以上に女性にとってもメリットが大きいはずですよ。特にエジプト/ヨルダン辺りで顕著だったのですが、戒律によって男女交際を著しく制限されたムスリム男性も、異教徒の女性に対しては何をしてもお咎めなしという風潮があり、女の子に対するセクハラが酷いのです(中東は押し並べて安全でいいところですが女性は地域によってはある程度気を引き締めておいた方がいいと思います)。対してイスラエル人はみんな女の子慣れしていますから不快なほどにガツガツ来る人たちは圧倒的に少ないはずかと。

閑話休題、そんなテルアビブは近代化されている分、物価に関しては周囲の国々よりもかなり高めです。おそらくイスタンブールと同等か高いくらいかと。宿がドミトリーで一泊1500円前後。一泊500円でお釣りの来るヨルダンやエジプトから入ってくる旅人の財布にはそれなりのダメージがあるかもしれません。それでも、日本やヨーロッパと比べればそこまで高くないですし、むしろ他の先進諸国と同等クオリティのサービスが比較的安価で受けられるお得な街という捉え方もできる気がします。

Tel Aviv Night Out実際、INKODへのインタビューの後は会話の途中で話題に上がった高層ビルの最上階にあるバーにひとりで行ってみたのですが、二杯飲んでチップを入れたお会計が100シュケル(2500円位)。東京の高層ビルの上で飲んだら席代だけでそのくらい発生してしまいそうです。しかもチップ制なのでバーテンのお姉さんの愛想もかなり良く。軽く雑談をしていたらオリーブの小皿を貰ってしまいました。やはり、たまにはこういうところで羽を伸ばすのもいいですね。日本にいたころはひとりで飲みに行くなんて滅多にしなかったのに、この旅の途中ですっかりクセが付いてしまいました。

そしてテルアビブのナイトライフと言えば、INKOD創業者のイランさんがクラブ巡りに連れ出してくれたのは忘れられない思い出の一つです。ユダヤ教徒の安息日にあたる金、土曜日は商店の類が殆ど閉まってしまう上に公共の交通機関は完全に麻痺状態に陥いるので旅人の間では敬遠されているのですが、イランさん曰く現地の若者にとっては安息日とはつまりはウィークエンドで、その日の晩のクラブはかなり賑やかな事になっていると。そんな話、聞いたことがありません。「サトシに本当のテルアビブを見せてあげよう」という彼のお誘いにありがたくのっかり、土曜の夜の街に繰り出すことになりました。

最初に入ったところはビーチ沿いにあるホテルのバルコニーを利用したラウンジクラブ。厳重なセキュリティチェックを抜けて中に入ると、そこには確かに夥しいほどの若者が。折しも当日はサッカー欧州CLの決勝日で巨大なスクリーンに流れるサッカーの映像をバックにDJがお洒落なラウンジ音楽を流しています。街に流れている静寂とはまるで正反対。

Tel Aviv Night Outそして不思議な事にこのクラブでは圧倒的に女性(しかも皆美人!)の数が多かったのです。美人が多いのはイスラエル人は世界中から集まって来たユダヤ人の混血だからとか仮説を立ててみたのですが、真相はよくわからず。しかも女性の方が積極的とか。僕は翌日にはエルサレムに発つ予定を立てていたので、特に何もなかったのですが、時間にゆとりのある男性は絶対に行ったほうがいいですよ、ここ。だって楽園だもの。

そしてハシゴして行った二軒目は港湾エリアにある大型のクラブ。屋外では一軒目のラウンジのように夜風に吹かれながらリラックスして話をしている人ばかりなのですが、その奥には大音量の音楽が外にも漏れてくる建物が。その箱の中に入るとフラッシュライトが頻繁に焚かれ、ミラーボールも周る典型的なダンスフロアでした。身動きができないほどにぎゅうぎゅう詰めの空間で皆が思い思いに体を動かしています。

僕自身、意外とこういう空間ってかなり好きなんですよね。特に踊れるというわけでもないのですが、目を閉じてお腹の奥まで響くリズムに身を委ねていると世界には自分だけしかいない感覚になれるのです。実際には周りはものすごい人ごみなんですけど、誰も僕のことなんて気にしてないですし。

そんな感じでテルアビブでは夜遊び三昧な日々を過ごしてしまいました。現地に知り合いができると一介の観光者ではなかなかできないことができるのが美味しいところです。

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周知の通りイスラエルは周辺国と非常に深刻な政治上の火種を抱えていて、イスラエルに入国したという証拠があると、シリア、レバノンを始めとする多くのイスラム諸国に入国できなくなってしまいます(ちなみに、ヨルダン、エジプトは今のところ正式に国交を結んだ状態なので渡航可能)

以前のアンマン編でもこの内容に触れているのですが、この地域を周遊するバックパッカーがこの問題を回避する方法は二つ。イスラエル入国の際に「ノースタンプ」とお願する、もしくはシリアやレバノンといった国に先に行ってしまい「思い残すことは何もない」状態で潔くパスポートを差し出すか。旅人の間で一般的なのは前者なのですが、僕はノースタンプにまつわるごたごたが面倒そうだったので後者を選択しました。ここはむしろシリアスタンプの隣に仲良くイスラエルスタンプが押されていた方が面白いかなと。

さて、イスラエルは常にテロの危険に晒されているので、イスタンブール空港での搭乗手続きの段階から入念なセキュリティチェックが入りました。チェックインカウンターの列に並んでいると、イスラエル人の検査官が二人一組で全ての乗客のパスポートをチェックし簡単な質問をしています。そして、僕のパスポートを見た検査官の手がピタリと止まりました。そう、僕のパスポートには数ページにわたってシリア/レバノンというイスラエルと公式に戦争状態にある国のスタンプがびっしりと押されてあるのです。他にもエジプトやUAEなどアラブ圏のスタンプを見ながら何やら渋い顔をしています。

そこからは、他の人とは明らかに態度が変わっての質問攻め。イスラエルへの渡航目的に始まり、中東への渡航目的、家族構成、職業、どうやって世界一周旅行なんかの大金を貯められたのか、などなどかなり個人的な事まで根ほり葉ほり聞かれました。僕としては何も悪いことをしているわけではないので、胸を張って正直に質問に答えるだけです。こんなところで嘘をついたところでいいことなんて一つもないですしね。ただ、ここで足止めを食らってしまった関係で、イスタンブール空港のラウンジを使う時間は殆どなく。フライト時間は僅か2時間程度。空港での手続きの時間より短いですね。地中海を縦に越えるだけなのですぐそこです。

そして、まさに「関門」テルアビブ空港パスポートコントロール。じゃぁ、気兼ねなくスタンプをよろしくとパスポートを差し出すと、また検査官の手が止まりました。例によって渡航目的などの紋切り型の質問を繰り出した後で、何やら内線でやり取りをしています。そして暫くしてからやって来た別の係官を指さし「あの人に着いて行ってもらえる?」と。はい、噂の別室送り来ましたよ。ちなみにパスポートは最初の検査官に預けたままです。別室と言っても、そこはパーティションで分けられた待合室のような空間で、僕が中に入った時には既に何組かの先客達が、空港にありがちな固い椅子に座りながら不安そうに自分の名前が呼ばれるのを待っていました。

幸か不幸かこの区画ではwi-fiが通じていたのでTwitterで実況中継などをしつつ待っていたのですが、(今となってはもしかしてネットワーク内容をモニタリングされていたのではないかと軽く訝ってしまいますが)待てども待てども呼ばれない。僕よりも先に来た人がすぐに呼ばれることもありましたし、僕よりもずっと前から待っている人もいます。ここで誰を呼ぶかも向こうのさじ加減のようで、明らかに苛立っている人も数名。僕は不安な表情はだしつつも、冷静に待ちます。まぁ、本当に最悪の事態が発生したところで入国不許可なだけで、それは新たに旅のネタが増えるだけですし。

待たされること2時間弱、ようやく僕の名前が呼ばれました。ここからは美人な検査官と個人面談です。イスラエルは国策として外国人と接する人たちに意図的に美女が選ばれているという噂が(複数名の知人談)。冷淡な金髪美女に個人的な質問を徹底的に浴びせられるとは、これは一体なんというプレイ。

ちなみにここでされる質問は基本的にトルコ出国時と同じような内容です。これは嘘をついていないか裏を取るため。僕は嘘をつきようがないので、正直に解答するだけなのですが、お姉さんのイジワルな視線と質問の仕方が何とも言えません。「なんでシリアなんかに行ったの?」という質問に「世界一周旅行中でこの地域の文化に興味があった。でも、イスラエルのスタンプがあるとシリアに入れてもらえないじゃない?でも逆はOKみたいだから先に行くことにしたんだ」と答えたところ、わざとっぽく微笑みながら「へぇ、そうんだんだぁ、知らなかったわ」とのコメントが。お姉さん、S度全開で惚れそうです。「じゃぁ、シリアスタンプがあっても入国を許すイスラエルはいい国って事よね?」イエス、アブソルートリー。

結局、15分程度の尋問で開放してもらえました。そして、最後に「じゃぁ、この紙を持ってパスポートコントロールに行ってね」とパスポートと一緒に一枚の紙切れが。言われた通りその紙を窓口で手渡すと、まさに通行手形、無事に通関でイスラエル入国完了です。しかし、ここで重大な事実に気がつきました。あれ、パスポートにスタンプを貰っていない気が…。空港でもノースタンプをお願いすることは一応可能だとは聞いていたのですが、まさか僕に適用されるとは。というか、僕としてはむしろスタンプ押してもらうつもりで来たんですけどね。まぁ、結果オーライ。この後も中東を旅できるのだということでよしとしておきましょう。

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