搭乗記

Entry Info

周知の通りイスラエルは周辺国と非常に深刻な政治上の火種を抱えていて、イスラエルに入国したという証拠があると、シリア、レバノンを始めとする多くのイスラム諸国に入国できなくなってしまいます(ちなみに、ヨルダン、エジプトは今のところ正式に国交を結んだ状態なので渡航可能)

以前のアンマン編でもこの内容に触れているのですが、この地域を周遊するバックパッカーがこの問題を回避する方法は二つ。イスラエル入国の際に「ノースタンプ」とお願する、もしくはシリアやレバノンといった国に先に行ってしまい「思い残すことは何もない」状態で潔くパスポートを差し出すか。旅人の間で一般的なのは前者なのですが、僕はノースタンプにまつわるごたごたが面倒そうだったので後者を選択しました。ここはむしろシリアスタンプの隣に仲良くイスラエルスタンプが押されていた方が面白いかなと。

さて、イスラエルは常にテロの危険に晒されているので、イスタンブール空港での搭乗手続きの段階から入念なセキュリティチェックが入りました。チェックインカウンターの列に並んでいると、イスラエル人の検査官が二人一組で全ての乗客のパスポートをチェックし簡単な質問をしています。そして、僕のパスポートを見た検査官の手がピタリと止まりました。そう、僕のパスポートには数ページにわたってシリア/レバノンというイスラエルと公式に戦争状態にある国のスタンプがびっしりと押されてあるのです。他にもエジプトやUAEなどアラブ圏のスタンプを見ながら何やら渋い顔をしています。

そこからは、他の人とは明らかに態度が変わっての質問攻め。イスラエルへの渡航目的に始まり、中東への渡航目的、家族構成、職業、どうやって世界一周旅行なんかの大金を貯められたのか、などなどかなり個人的な事まで根ほり葉ほり聞かれました。僕としては何も悪いことをしているわけではないので、胸を張って正直に質問に答えるだけです。こんなところで嘘をついたところでいいことなんて一つもないですしね。ただ、ここで足止めを食らってしまった関係で、イスタンブール空港のラウンジを使う時間は殆どなく。フライト時間は僅か2時間程度。空港での手続きの時間より短いですね。地中海を縦に越えるだけなのですぐそこです。

そして、まさに「関門」テルアビブ空港パスポートコントロール。じゃぁ、気兼ねなくスタンプをよろしくとパスポートを差し出すと、また検査官の手が止まりました。例によって渡航目的などの紋切り型の質問を繰り出した後で、何やら内線でやり取りをしています。そして暫くしてからやって来た別の係官を指さし「あの人に着いて行ってもらえる?」と。はい、噂の別室送り来ましたよ。ちなみにパスポートは最初の検査官に預けたままです。別室と言っても、そこはパーティションで分けられた待合室のような空間で、僕が中に入った時には既に何組かの先客達が、空港にありがちな固い椅子に座りながら不安そうに自分の名前が呼ばれるのを待っていました。

幸か不幸かこの区画ではwi-fiが通じていたのでTwitterで実況中継などをしつつ待っていたのですが、(今となってはもしかしてネットワーク内容をモニタリングされていたのではないかと軽く訝ってしまいますが)待てども待てども呼ばれない。僕よりも先に来た人がすぐに呼ばれることもありましたし、僕よりもずっと前から待っている人もいます。ここで誰を呼ぶかも向こうのさじ加減のようで、明らかに苛立っている人も数名。僕は不安な表情はだしつつも、冷静に待ちます。まぁ、本当に最悪の事態が発生したところで入国不許可なだけで、それは新たに旅のネタが増えるだけですし。

待たされること2時間弱、ようやく僕の名前が呼ばれました。ここからは美人な検査官と個人面談です。イスラエルは国策として外国人と接する人たちに意図的に美女が選ばれているという噂が(複数名の知人談)。冷淡な金髪美女に個人的な質問を徹底的に浴びせられるとは、これは一体なんというプレイ。

ちなみにここでされる質問は基本的にトルコ出国時と同じような内容です。これは嘘をついていないか裏を取るため。僕は嘘をつきようがないので、正直に解答するだけなのですが、お姉さんのイジワルな視線と質問の仕方が何とも言えません。「なんでシリアなんかに行ったの?」という質問に「世界一周旅行中でこの地域の文化に興味があった。でも、イスラエルのスタンプがあるとシリアに入れてもらえないじゃない?でも逆はOKみたいだから先に行くことにしたんだ」と答えたところ、わざとっぽく微笑みながら「へぇ、そうんだんだぁ、知らなかったわ」とのコメントが。お姉さん、S度全開で惚れそうです。「じゃぁ、シリアスタンプがあっても入国を許すイスラエルはいい国って事よね?」イエス、アブソルートリー。

結局、15分程度の尋問で開放してもらえました。そして、最後に「じゃぁ、この紙を持ってパスポートコントロールに行ってね」とパスポートと一緒に一枚の紙切れが。言われた通りその紙を窓口で手渡すと、まさに通行手形、無事に通関でイスラエル入国完了です。しかし、ここで重大な事実に気がつきました。あれ、パスポートにスタンプを貰っていない気が…。空港でもノースタンプをお願いすることは一応可能だとは聞いていたのですが、まさか僕に適用されるとは。というか、僕としてはむしろスタンプ押してもらうつもりで来たんですけどね。まぁ、結果オーライ。この後も中東を旅できるのだということでよしとしておきましょう。

憧れのルフトハンザファーストクラスターミナルフランクフルトでは、Five Elements Hostelという宿に滞在していたのですが、ここがかなりの大当たり。この旅の中でもトップクラスの宿になると思います。各部屋もかなり綺麗なのですが、特筆すべきは一階にある洗練されたカフェスペース。ここが一泊18ユーロの安宿とは信じられないくらいに清潔でモダンなデザイン。でも、カフェの料金設定は確かに一般的な安宿レベルなので、夜はここでビールを飲みながらネット三昧でした。特にこれと言って観光にいそしんだわけではないのですがとても居心地がよかった印象が残っています。

そして、フランクフルトのメインイベントと言えば、夢のルフトハンザファーストクラスターミナルです。詳細は以前書きましたが、この4年間あこがれ続けていた場所。うん、夢はかなう。

とりあえず電車に乗って空港に行ったら普通のターミナルについてしまったのでその場でチェックイン。デスクの人からはファーストクラス「ラウンジ」が使えますよと言われたのに、「なんか、素敵なターミナルがあるって聞いたんですけどぉ」と湾曲的に聞いてみたら、10分少々歩くことになってしまうけどそれでもいいなら是非どうぞとのお答えが。荷物がなければ10分くらいのウォーキングなんて大したことありません。

憧れのルフトハンザファーストクラスターミナル若干迷いながら、なんとか裏口のようなところに到着。誰もいなかったのですが、インターフォンを押したら係りの人が出てきてくれました。本来ならばタクシーか自家用車でいらっしゃる方が殆どで、メインのターミナルから歩いてくる人は想定していなかったと。まぁ、客層から考えたら当然ですよねぇ。

一応、ターミナルなのでその場で出国手続きがあります。とはいっても、パスポートをアシスタントに預けたら、荷物チェックのゲートをくぐるだけ。ゲートはひとつだけしかありませんが、そもそもの利用客数が少ないので並ぶわけがなく。その後、アシスタントの方が「初めてのご利用でしたらご案内たしましょうか?」と言ってきてくれたのでお言葉に甘えて一周しました。

憧れのルフトハンザファーストクラスターミナルなんと、シャワールームにはバスタブまで付いてます。しかも、シャワーとバスタブが完全にセパレートになった造りで、ここに住めるのではないかという広さです。ちなみにアメニティもかなり豪華。他のファーストクラスターミナルでは、シャワールームのアメニティは大瓶が固定されているだけのところが多かったのですが、ここはETROのミニボトルがずらっと。しかもなぜかアヒルちゃんまで置いてあるし。足を完全に伸ばして入れるバスタブなんていつ振りだろう。思い切りリフレッシュさせてもらいました。

憧れのルフトハンザファーストクラスターミナル風呂に入って気分を切り替えた後は、もちろん食事の時間です。生ハム、サーモン、シュリンプカクテルと高級ホテルのビュッフェかと見間違うメニューが並んでいます。というか、なんで生ハムだけで何種類もあるのでしょう。各テーブルの上にはミネラルウォーターが氷水の中に入れられて冷やされてるし。ここのゴージャス感と内容の充実度は今まで僕が滞在してきたどんな場所よりも群を抜いているような気がします。若干時間が押していたので、本気のコースメニューまで頼めなかったのがやや残念ですが、フィンガーフードとスウィーツだけでも十二分に満足できました。

憧れのルフトハンザファーストクラスターミナルそして、搭乗の時間。ファーストクラスターミナルは一般の人用のゲートからはかなり離れたところにあるので、空港の敷地内をリムジンで送ってくれるサービスがあります。僕にはなんとポルシェケイマンがお出迎え。他にもメルセデスSクラスなどのドイツ製高級車が何台も泊められていたのですが、僕が若者だったからでしょうか、カッコいいスポーツカーになってしまいました。もちろん、ポルシェに乗るなんて生まれて初めてです。そこまでスポーツ仕様になっていないのか乗り心地も快適。飛行機の真下までおよそ5分程度のドライブでしたがかなり興奮しましたよ。

憧れのルフトハンザファーストクラスターミナル機内は1-2-1の4列シート。まぁ、今回はフライト時間6時間ちょっとの中距離路線なので機材自体は大したことないのですが、サービスの質はかなり高いものがありました。最後にデザートで出てきたチョコレートはホントに美味しかったなぁ。チョコレート好きとしては、このエリアのチョコはたまらない。今から、この後のヨーロッパ滞在本編が楽しみです。搭乗前にはいろいろとトラブルもありましたけど、全体的には大満足のフライトでしたね。

そしてついにカイロへ到着。ドバイにも行きましたけど、あそこはちょっと特別な都市なので、ここからがついに本当の中東旅行のスタートです。2か月少々かけてのエジプトからトルコまでの陸路移動はこの旅の中でも最も「バックパッキング」という側面を色濃く反映した旅になるでしょう。

Entry Info

あぁ、またやってしまった。どうやら、搭乗時刻とゲートクローズの時間を完全に勘違いしていて飛行機を乗り逃がしてしまったようです。さらに間の悪いことにルフトハンザは翌日からストライキを控えていて空港は大混乱中。ゲート係員からのアドバイスに従って、チケットオフィスに確認に行ったところ大行列ができていました。ビジネスクラスのプライオリティーレーンでも、自分の番が来るまでおよそ2時間。全く自慢できることではありませんが、ご存知のようにトラブル慣れしている僕ですので、その間に冷静に問題点を洗い出しました。

何はともあれ、気になるのは乗り逃がしたフライトです。以前、格安航空券で乗り逃がした時にはフライト自体が無効になってしまったのですが(あの時、もう2度とこんなヘマはやるもんかと心に誓ったのに!)マイルの特典フライトの場合はどうなるのでしょう。そしてフライトと同じくらいに気がかりなのは、チェックインしていた荷物です。もし、僕を置いてカイロまで飛んで行ってしまったとしたら確保する手筈を整えるのが大変そう。そして細かいことがもうひとつ、カイロの宿に頼んでいたピックアップサービスもキャンセルしなくてはいけません。

チケットカウンターに最初の二つの質問をぶつけたところ、特典フライトに関しては僕の代理店(Agent)でないとわからないというご回答。「そもそも代理店って何?」というレベルだったのですが、「代理店は代理店だよ」という返事しか返ってこず。荷物に関しては僕が搭乗しない限り、荷物も積まれないようなシステムが整っているらしく、カルーセルまで送ってもらえる手筈を整えました。とりあえず、これで金銭的な被害は最小限に抑えられそうな見通しが立ったので一安心です。

カルーセルの前で荷物を待つこと1時間以上。その待ち時間の間にKindleのネット機能を利用して、カイロの宿に緊急キャンセルのメールも送っておきました。まさかホントにKindleがネット端末として役に立つ時が来るとは。荷物を回収後「代理店」の謎を解くべく再度ルフトハンザのチケットオフィスに並びます。今度は1時間くらいで順番が回ってきて、しつこく質問を繰り返したところ「キミがこの特典フライトを予約したところだよ」との回答が。あぁ、なるほどANAのことですか。

そうとわかればここはフランクフルト空港、ANAのカウンターに直行です。しかしながら、カウンターでは特典フライトの詳細については取扱できません、コールセンターにご連絡くださいとの冷たいお答え。とりあえず欧州コールセンターの番号を教えてもらい空港内の有料wi-fiからスカイプに接続です。

そしてやっと繋がったANAコールセンター。担当者さん曰く、マイルのフライトでも空きがあれば代替フライトは用意できますとのこと。具体的にはビジネスなら8日後、さらにファーストでも10日後なら空きがあることが判明。おぉっ。僕はフライト無効という最悪の事態まで想定していましたから、災い転じて福と成すとはまさにこのことかと。もともとスケジュールなんてあって無いような旅ですから10日後のファーストまで喜んで待たせていただきますとも。一度は霧散していたルフトハンザ ファーストクラスターミナルの夢、復活です。

カイロの宿からも「気にしなくていいから、新しいフライトが決まったら教えてね」というお気楽なメールやってきまして、これで発生した問題は全て解決してしまいました。飛行機を乗り逃がしたというのに実質、被害ゼロとは。残すところの懸案事項はこの不意にやってきたヨーロッパでの10日間をどのように過ごそうかということですね。ドイツやスイスなど近隣の友人のところに押しかけようかというアイディアもあったのですが、よくよく考えたら翌日からアムステルダムでFITC(Flash関係の大型イベント)が行われるじゃないですか。これは、もう神のお導きとしか言いようがありません。

その場でLast Minutes Ticket Centerというギリギリの当日券を専門に扱うブースに駆け込み2時間半後のアムス行きフライトを確保。ターミナルで待っている間にネットで宿を手配したり、既に現地入りしている日本人のみなさんに連絡をしたりして、最終的にANAに電話した4時間後にはアムステルダム国際空港に降り立っていました。毎度のことながら、転んでもただでは起きないなぁと変なところで自画自賛です。

しかしフランクフルトでチェックインし直した荷物が待てども待てども出てこない。ついにカルーセルが止まってしまい、人生初のロストバゲッジ確定です。なんでこうドタバタなのかと。一応、カメラなどの貴重品類は機内に持ち込んでますし、エコノミークラスの重量制限対策で暖かい服を身にまとっていたので、最低限は何とかなりそうですが、見知らぬ街で荷物なしは心もとないですよねぇ。「2,3日以内には大体見つかると思うよ」という係のおねぇさんの言葉を信じその日は宿に向かうことにしました。

結局宿に到着したのは深夜過ぎ。ほんと長い一日でした。

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