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3rd (Sun)
Jan 2010

[day1] エアポートリムジン

早朝5時、誰もいないパークハイアットのロビー。大きな荷物を抱えて空港行きのバスを待っていても、今から夢の世界一周旅行に旅立つなんてまるで実感がわきません。夜明け前の暗闇の中、ただ「またね」と言い残して、バスに乗るだけ。これから遠くの国に出かけるという事実は理解しているのに、まるで明日の約束でもしたかのような簡潔な別れ。

どうにも、僕はオーストラリアでの留学中に別れという概念が少し崩れてしまったような気がします。語学学校に通っていたおよそ一年間、あの頃は毎週のように誰かのフェアウェルパーティーがあり、「さようなら」「また会おうね」「連絡取り合おうね」そういった会話が常に繰り広げられ、涙を流したことも少なくありません。ただ、いつのころからか、その行為が日常になり、情動的になることも段々と減ってきました。

航空技術が発達した現代では、時間的な距離は驚くほどに小さいです。50年前はほんとに限られた人しか行けなかった海外旅行も、今ならば誰でも24時間以内に世界中の主要都市に飛べる時代。その気になればいつだって会いたい人のもとへと訪れることができます。しかも、facebookやskype、メールなどを代表するインターネット関連のツールを使えば、連絡を取り合うだけならばほぼノーコスト。精神的な距離に関してはどんなに物理的な距離があったとしても自分自身でコントロール可能なはずです。

出会いと別れは表裏一体。想い続けていればいれば、いつかまた必ず再会できるということを知ってしまった僕には、寂しさと不安からこぼれ落ちる涙はもう出てこないのかもしれません。少しだけ名残惜しそうに、明け方の東京を眺める僕を乗せて、バスは首都高を抜けて成田空港へと向かって行きました。このときの、僕の頭の中のBGMはMr.Childrenの天頂バス。星になれたらも好きなのですが、やっぱりこの歌が一番僕の旅立ちにしっくりきます。

そろそろ時間だ
急いで鞄に詰めよう
隅から隅まで未来を書きためたネタ帳 A.B.C
天国行きのバスで行こうよ
揺れるぞ 地に足を着けろ
己の直感と交わした約束を
果たすまできっと僕に
終点などねぇぞぉ

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