Apr 2010
[day48] ドバイの繁栄
厳しい税関を突破しなんとか入国できたドバイ。ちなみに、ドバイの安宿はhostelworldで殆どヒットしなかったため、hotels.comで一泊10000円クラスのところを利用してしまいました。探せばもう少し安いところもあるのですが、どうせ費用がかさむのならば多少でも評判の良いところにしておこうかということでユーザーレビューの評価が高かった、Xclusive Hotel Apartmentsというところに決定。ここは長期滞在者用のサービスアパートメントとして使用されているようで、1LDK、キングサイズベッド付というのはこの旅の中でも最高スペックの宿になりそう。更に、空港までの無料送迎サービスや滞在期間中のwi-fi接続まで付いてきていたので、ドバイの価格帯としてはかなりお得な方かと。まぁ、バックパッカーが気軽に来れるところではないことは確かなのですが。
さて、やって来たはいいものの、例によって現地で何をするかは完全にノーアイディア。宿のフロントに近場で何か面白そうなところない?と聞いてみると、ドバイモールに行ってみたら?と返ってきたので、タクシーに乗って行ってみることにしました。日本並みに物価の高いドバイですが、タクシー代は20分くらい乗って20AED(600円弱)となかなか割安。中心街を通るタクシーの窓から見えるカラフルで奇抜なビル群はまるでシムシティの世界のよう。
そしてやってきたドバイモール。ドバイ最大のショッピングモールということでとにかくでかい。デコレーションの感じや店舗の作りなど、六本木ヒルズやビーナスフォートなど森ビル系のコンプレックスに近い雰囲気を醸していましたが、スケール感が桁違いです。建物の中に映画館はもちろん、スケートリンクや水族館まで入っていて、一日で全体を回りきるのは難しそう。世間では「ドバイショック」などと言われていますが、少なくともモールの中はそれなりに景気が良いようで、観光客やアラブの民族衣装をまとった現地人などで賑わっていました。
モールから一歩外に足を踏み出すと目の前に現れたのは、世界一高い建築物、ブルジュ・ハリファ(旧称ブルジュ・ドバイ)。今年初頭に落成式をしたらしいのですが、まだ外側の工事は続いていました。このタワー、今まで見てきた高層ビルとは高さのレベルが違います。800メートル200階建てということなので、東京で一番高い東京ミッドタウンの3倍以上、iPhoneのカメラではどんなに離れても全体像を納めることができないほど。まぁ、この状況を期待して広角レンズ&三脚を持ち込んでいたので、たっぷりと撮影タイムを楽しませてもらいましたが。見物客が多く構図を決めるのに苦労もしましたが、何枚かお気に入りの写真も撮れました。
さて、ここドバイで街を歩いたりAdobe Edgeのインタビューで現地の制作会社を訪れたりして考えさせられたのは実は政治のあり方です。ドバイはアラブ首長国連邦のひとつ、つまり、アラブの王様の国です。僕は日本の学校教育で、小さなころから民主主義政治の素晴らしさを教育されてきましたけど、ここにいると専制政治も悪くないのではないかと、むしろある意味では専制政治の方が優れているのかもしれないと感じてしまうほどでした。
中東の王族って、当然生まれた時から超お金持ちで、何不自由ない生活をしているんですよね。そして、自分の持ち物である国家を繁栄させていくためにどうしたらいいのかを幼少期から叩き込まれるわけで。おかげで、その国の将来に対するビジョンがはっきりしています。ドバイではインターナショナルビジネスの中心になるべく、巨大な空港やオフィス群を整備してますし、UAEの首都アブダビのクリーンエネルギーに対する巨額の投資も石油が枯渇した未来を見据えてのこと。人気投票で選ばれた政治家どうしが足を引っ張り合って、その場しのぎで八方美人なバラ撒き政策だけしかできないどこかの国の政治家たちとはえらい違いです。船頭多く人山に登ると言いますが、逆に強烈なリーダーシップが導いていく方が物事がうまく進むのではないかと。
まぁ、このアグレッシブな姿勢も豊かなオイルマネーに支えられているのは確かなのですが、この中東の国々にはいろいろと学ぶものがある気がします。