Sep 2010
[day127] 素敵な安宿の選び方
イスタンブールは前回の冒頭にも書いたとおり、アジアとヨーロッパの合流点、つまりユーラシア大陸を旅する旅人達が一堂に会する場所でもあるのです。そいう土地柄なので安宿の数もかなり多く、数が多ければ競争原理が働いて宿のクオリティも上がる、ということになります。実際、hostelworldで検索すると、85点以上の高評価を得ている宿が目白押しです。経験上85点以上ならまず外れることはまずないのですが、こんなに多いとさすがに目移りしちゃいますよね。そこで今回はここイスタンブールを例に僕の安宿の選び方を説明してみようと思います。
まず、部屋の形態はコスト的にドミトリーで問題なし。4人部屋くらいが落ち着いていていいのですが、あまりにも値段に差が出るときは大部屋も検討します。そして重要なのはできればミックス(男女一緒)部屋を選択すること。もともとミックスしか設定のない宿ならなお望ましい。これは何も可愛い女の子と同じ部屋で寝たいなどという下心があるわけではないですよ。大丈夫、好みど真ん中の女の子が同室になることなんてまず無いですから。では何故ミックスを選ぶかというと、いびきのうるさいおっさんを避けるためです。公害並みにうるさい人、結構いますからね。耳栓すらも無力化する大音量とか。対して女性でいびきをかく人は殆どいないので、夜はとても静かで寝安いんですよ。
続いて一番重要なレーティング要素を。まず最初に気にするのはStaffですね。僕は安宿の一番の肝はスタッフだと思っています。建物や設備のようなハード面はコストと直結してしまうので普通のホテルに敵わないのは当然ですが、スタッフの態度などソフト面ならその場で働いている人たちの工夫でどうにでもなりますから。以前も書いている、バンコクのNiras Bankoc、ギョレメのYashin's Backpackers Cave Hostelなどもそうなのですが、親切な安宿のスタッフはとてもフレンドリーに旅人の相談に乗ってくれていました。ある意味、バックパッカー向けのコンシェルジェ。態度は若干フランクではありますけど、超一流ホテルの提供するパーソナルなサービスにも劣らない親切さです。
次はCleanness。安宿は汚くて当然と思われているかもしれませんが、意外と綺麗なところも多いんですよ。しっかりしているところは専任のスタッフが一日中掃除をしています。豪華と清潔は全く異なる要素。シンプルなベッドだけの部屋でもきちんと清掃されている宿は暮らしていて居心地がいいです。こっちが寝ていようと昼前には掃除のおばちゃんが部屋に入ってくるのはご愛嬌。放置されて部屋が汚いままよりずっといいです。
Locationは街の性格によりますね。小さな街である程度のエリアが徒歩圏内なら街の真ん中や駅の近くにある方が便利でしょうし、どこに行くにも公共交通機関を利用しなくてはいけない場合は、多少中心から外れていたとしても他の条件を満たすことを優先した方が安くていい宿をとれる気がします。イスタンブールの場合は、新市街と旧市街に別れていたので、各エリアでアクセスがなるべくいいところを選ぶようにしました。
レーティングで最後に外せないのは、Funの値が低めであること。低い方がいいって意外ですか?これは客層の問題なんです。欧米出身の若い旅行者は日本人の旅人とはかなり傾向が違っていて、旅行に来たら騒いでなんぼという人達がすごく多く、彼らと話をしていると大体その街のナイトクラブとかパブの話がメインになります。Funの値が高い宿は往々にしてそういう騒ぐことが大好きな人が集まるパーティ宿のケースが高いのです。時にはスタッフが率先して宿泊客を地元のバーに案内してくれることもありますよ。でも、単に酒を飲んでバカ騒ぎをすることは僕の趣味ではないですから。こういう人達を避けるために、敢えて「楽しくない」宿を選ぶことも多いです。そうした結果、純粋に旅を楽しんでいる人たちに出会え、彼らと杯を交わしながらのんびりと語りあうなんてことも発生したりします。
宿泊者からのレビューは参考程度に。高評価な文章は気にしないのですが、定評かな内容はしっかり読みましょう。偶然何かが壊れていたとか、オーバーブッキングされていたとかはたまにあるので仕方がないと思うのですよ。ただ、スタッフの態度が悪かったとか、物が頻繁に盗まれるというようなレビューが直近に頻発していたら要注意ですね。
価格に関してはそれほど気にしていないです。そもそもhostelworldから見つけるドミトリーの部屋なら安さは十分なので。おそらく、このブログの読者の方は理解されていると思うのですが、最安値を狙ってオンボロのところに行くならば、多少余計に払うことになっても評価の高いところに行きたいというのが僕の旅のスタイルなのです。言うならば、僕はファーストクラス バックパッカーなので安宿でもファーストクラスなところを取るよということで。
そんなわけで、僕がイスタンブールの宿として決めたのは、Chambers of Boheme と Agora Hostelという二ヶ所です。hostelworldで詳細を見てみると、上記の検討プロセスにうまくマッチした宿だということがわかると思います。宿泊してみた結果もまさに僕の狙い通りの宿で両方とも清潔で落ち着いた雰囲気。どちらも甲乙付け難しですね。
新市街のメインショッピングストリート、イスティクラ通りから一本だけ入ったところにあるChambers of Bohemは名前の通りボヘミアンなデザインで一階と二階はお洒落なカフェスペース。朝食はそのカフェで出される美味しいコーヒー付でした。食べ物の持ち込みは残念ながら禁止でしたけど、カフェに置いてあるクラシックなソファに腰掛けながらPCを使えるのもポイント高し。
対して旧市街の裏側に位置するAgora Hostelは最上階にあるオーシャンビューのテラスが自慢。朝食はその最上階で取るビュッフェ形式で、パンやシリアル、ゆで卵といったベーシックなものだけでなく、数種類のハムや自家製のブラウニーまである豪華さ。この一帯は安宿が集まっているエリアらしく、付近にはお手頃価格のレストランも多かったです。
一口にドミトリーの安宿と言ってもいろんなキャラクターがありますよね。前回紹介したような日本人宿だったり、朝までバーが空いているパーティー宿だったり、お洒落なブティックホステルだったり。自分がどんな宿が好きかというのをしっかり把握しておくと、ハズレを引くことが少なくなってくると思いますよ。そして、敢えて自分の趣味じゃないところに挑戦してみるのもまた一興だったりします。特にヨーロッパはhostelworld的激戦区なので、いろいろな宿があって楽しいですよ。