Feb 2010
[day23] 思い出探しの旅
パースは僕が2005年2月から2006年6月までの間をEdith Cowan University(ECU)の語学留学生として過ごした思い出の土地です。ただ、さすがに3年半も離れていると、いろいろなところが変わっているようで、この日は当時の思い出探しにと、通っていたキャンパスのあるClaremontと海越しに夕日が沈む灯台のあるFremantleというふたつの街を訪れることにしました。
Claremont
久しぶりにClaremontの街を歩いてみると、あの日の風景がまるでついこの間の出来事の用に目の前に浮かびあがってきます。登校の際にショートカットとして使っていた公園、放課後に必死で勉強したカフェ、気になる女の子を待っていたバス停。いくつか新しい建物はできていたものの、大切な思い出の景色は全く変わっていません。この街を出てからおよそ3年半、ただずっとまっすぐに未来だけを見据えて生活してきたのに、いざ帰ってきてみると想像以上の懐かしさが心の底から込み上げてきました。
当時通った道をそのまま辿っていくと旧ECU Claremontキャンパスに到着です。ECUの経済的理由により、所有権は他の大学に移ってしまったのですが、建物がオーストラリアの重要文化財的な位置づけなため、ちゃんとそのままの形で残っています。僕が学んでいた頃は200人近い学生が使用していてとても賑やかで、芝生の上でランチを食べたり、放課後は皆でサッカーをしたりしたものです。ホリデー期間中なのでしょうか、人気のない静寂に包まれたキャンパスの中を散歩していくと、当時の友人たちの面影が脳裏をよぎります。
Fremantle
Fremantleはパース近郊の中でも一番のお気に入りの街。港の外れにある灯台からみるインド洋に沈む夕日は何度見ても飽きません。灯台の先なのであたりまえなのですが、見渡す限り一面が海。その向こうに大きな赤い太陽がゆっくりと沈んでゆく様は物悲しくもあり美しくもあり。今回は雲ひとつない快晴。群青色からオレンジへと混ざり合う空を見ていると何故だか泣きたい気分になってきます。
それにしても、今回の思い出探しツアーは生まれて初めてと言っていいくらいに「懐かしい」という感情に苛まれましたね。僕は普段から意図的に過去に浸ることを避けてきたのですがこの思い出は強烈すぎる。思い返せば、パースでの一年は僕にとっての少し遅い青春そのものだったのかもしれません。基本は英語の勉強に打ち込みながらも、友達と遊びまわったり、難しい恋愛をしてみたり、高校のころからWebに夢中でごくありふれた学生生活というもの知らなかった僕にとっては何もかもが新鮮な毎日でした。いろいろと苦しいこともあったのですが、それすらも今となってはいい思い出の一つとして笑い飛ばせます。
でも、だからといってあのころに戻りたいという気持ちはそこまで強くもなく。何せこの旅はまだまだ始まったばかりですし、帰国後にやりたいこともいろいろありますからね。美しい思い出はとりあえずまた胸にしまったままこれからを楽しんでいこうと思います。