搭乗記

Entry Info

2nd (Sun)
May 2010

[day51] Dubai to Cairo?

ドバイはバックパッカーの財布にはかなり厳しいので滞在は3日だけ。一旦、ロンドンに戻ってからフランクフルト経由でカイロへの移動です。なぜ、ドバイからカイロへ直行しないかというと、中東&ヨーロッパの周遊をワンワールド世界一周航空券ではなく、ロンドン発のスターアライアンス特典フライトで行う予定なのです。大半がいわゆる陸マイルというやつですが、3年間でANAマイルを90,000マイルほど貯めることに成功しまして、ロンドン→フランクフルト→カイロ→(陸路での独自移動で)イスタンブール→テルアビブ→フランクフルト→リスボン→ロンドンという行程をファースト扱いで抑えることができました。まぁ、実質ファーストの設定があるのはフランクフルト→カイロとテルアビブ→フランクフルトの2区間だけですが、いいのです、フランクフルトでルフトハンザのファーストクラスに乗ることがこの旅程の最重項目なのです。

というのも、実は僕のこのファーストクラスに乗ってみたいというアイディアを思いつかせてくれたのが、ルフトハンザのファーストクラスなんですよ。3,4年くらい前に東京でルフトハンザのサイト制作に関わっていたことがあるのですが、その際にルフトハンザのファーストクラスターミナルという施設に衝撃を受けたことが全ての始まりなのです。

ルフトハンザのホームグラウンドであるフランクフルト空港には、ファーストクラス搭乗者専用のターミナルがあって、出国審査もパスポートを預けたらあとは殆どアシスタント任せ、高級レストラン並みの食事を堪能していると、搭乗時間になったらアシスタントが呼びに来てくれて、専用リムジンで飛行機まで連れて行ってくれるという、至れり尽くせりのサービスを提供しています。いつか、こんな世界を味わってみたい、そんな思いが仕事中に芽生え、スターアライアンスのマイルをクレジットカードで貯め始めたのですが、ちょうどいい具合に目標マイルまで到達したので、この機会に使ってしまうことにしました。

が、しかし、このフライトのひと月ほど前、ちょうど僕がメルボルンにいるころにANAから不吉な電話が。なんと、機材の関係で僕の乗る日のカイロ便だけファーストクラスの設定がなくなってしまったと。おかげで、自動的にビジネスクラスに格下げです。しかも僕の場合、マイル特典フライトで他にもファーストクラス区間があるため、払い戻しのようなことも発生せず。ルフトハンザに「せめてターミナルだけでもファースト使わせてよ」と交渉のメールを送ってみたものの「ルールですのでダメです」との冷たい返事が。10日くらいスケジュールをずらせばファーストクラスにも乗れるらしいのですが、ドバイに追加で10日はかなり厳しい。泣く泣くダウングレードを受け入れました。

とりあえず、ドバイからロンドンへはブリティッシュ エアウェイズのファーストクラス。ただし、深夜のフライトだったので、またもや何も食せずに就寝。どうにもBAファーストの食事には縁がないようですね。まぁ、9月にロンドンから北米に移動するときもBAなので、その時にはきっと長距離フライトを楽しめることでしょう。

そして、ヒースローからフランクフルトへ移動後は、20時間の超ロングトランジット。ファーストクラスラウンジ&ターミナルを使えると見越して長めの接続をとっていたのですが、まさかのダウングレードでビジネスクラスラウンジ行きになるとは。それでもフランクフルトのルフトハンザビジネスクラスラウンジは、彼らの本拠地のだけのことはあり、広くて設備も充実。wifiが有料(しかも1時間8ユーロと高額!)なのと、かなり混んでいることさえ我慢できれば意外と快適に過ごすことができました。

ラウンジが閉まる深夜帯はターミナル内で仮眠しつつ、ようやく迎えた搭乗時間。チケットに書かれた時間を確認しながら、少し離れたゲートに到着すると、なぜか誰も人がいない。近くの係員に「あれ、カイロ行きのフライトは?」と聞いてみると「もう出ちゃったよ」とのお返事が。

な、なんですと!?

シドニー→ドバイ2シドニー発、ロンドン経由、ドバイ行き。シドニー→ロンドン24時間、ロンドンでトランジット15時間、ロンドン→ドバイ7時間。その他待ち時間などを含めると、都合48時間以上かけての大移動です。誰が聞いても「何か間違ってない?」と言ってくるのですが、僕にとってはむしろ「ファーストクラスバックパッカー」ハイライトのひとつ、ファーストクラスというものを完全に堪能した2泊3日となりました。というわけで、前回からの続きです。

ヒースロー ブリティッシュエアウェイズ コンコルドルーム

シドニー→ドバイ2ヒースロー空港の最新ターミナル、T5。ここのファーストクラスラウンジの一角にはファーストクラスへの搭乗者しか利用できない、コンコルドルームと言う特別な部屋があります。直前に滞在していたシドニー然り、いわゆる「ファーストクラスラウンジ」はマイレージの上級会員にも提供されていることが多いのですが、ここだけは別格で、その日のファーストクラスのフライトチケットを持っている人しか利用できません。例によって、飲み物のオーダーを聞きに来られて驚きました。英語のレベルが最敬礼状態。滅多に使われませんけど、一応英語にも敬語ってあるんですよ。"Would you care for --?"という言い回しを初めて使われました。

シドニー→ドバイ2調度品の類もかなり豪華。シドニーのファーストクラスラウンジはシンプル&モダンを追求したスタイルでしたが、こちらはクラシック&ラグジュアリーと言ったところかと。シャンデリアとかぶら下がってますし、暖炉まである(ただし火は液晶ディスプレイでしたけど)。さすが英国は一味違う。さらに食事に関しては半個室のレストランスペースが用意されていてそこで落ち着いてとることも可能です。もう、高級ホテルのレストランもびっくりな仕様ですね。でも、味に関しては残念なことにそこそことしか…。いや普通に食べれるのですが、この最高レベルの空間の割にはあまり感動がない味だなぁと。贅沢すぎる話なのはわかってますけど、折角のプレミアム空間なのでもう少し頑張って欲しいなぁというのが本音です。

BA109 ロンドン→ドバイ

シドニー→ドバイ2コンコルドルームには13時間ほど滞在。ずっとフレッシュジュースを飲みながら写真を編集したり、ブログを書いたりしていて、ちょっと飽き出したタイミングで搭乗時間になりました。このフライト、ロンドン時間で21時半発のフライトなのですが、それってつまり、シドニー時間で翌早朝。搭乗の際は軽い徹夜明け状態のコンディションです。そして到着時刻はドバイ時間で9時半、ロンドン時間で4時半、そしてシドニー時間で15時半、もう時差がわけのわからないことになってますね。おかげで機内ではワインを一杯飲んだだけで、何も食べずに就寝という最高の贅沢をすることに。結果的に目覚めは快調で、この旅で初めて機内で朝食をまともに食べられましたけど。

ドバイ入国

ドバイへの入国は簡単と言われています。日本人はノービザでOKですし、実際、パスポートコントロールでは宿の住所だけ見せれば簡単にスタンプを押してもらえました。でも、その後の税関でトラップが。特に申告するものもないので"Nothing to Declare"のゲートを抜けていったら、なぜか係員に止められ近くのテーブルへ。「バッグの中には何が入っている?」と。「いや、ごく普通に生活用品だけど」と答えると「じゃぁ、中を開けて見せてくれ」ですって。そこから小一時間くらいかけて、バッグを全部ひっくり返して一つ一つ説明です。しかも、係官の英語レベルが低すぎてMedicine for hay fever(花粉症の薬)とか言っても通じないし。ジェスチャーも交えて全て説明し、最終的に個室の中に連れ込まれ、全身のボディチェックが入って検査終了。

どうも、注意深く周りを見ていると、バックパックを背負った人たちが特に重点的に狙われていたようです。まぁ、貧乏バックパッカーが気軽に来るような国じゃぁないですからねぇ。向こうも任務に忠実なだけで悪気があるようには見えなかったので、素直に協力してましたけど、できることならこういったことは、今後なるべく発生してほしくないものです。

シドニー→ドバイ1シドニーには7泊ほど滞在。ここ一カ月くらいの間ずっと友達の家にお世話になりっぱなしでしたが、今回からはシティから少し離れた安宿で久しぶりのバックパッカー生活を再開です。まぁ、ここは以前も訪れたことがある上に、宿からシティまで徒歩40分以上かかるということで、観光らしいことをしたのは1日のみ。JALに世界一周航空券の書き換えに行くついでに、ハーバーブリッジやオペラハウスと言った主要どころの写真を撮ってきました。それ以外の日は宿の近くのカフェで日記を書いたり、自分で買ってきた肉でステーキを焼いたりとのんびりな生活。あとはお小遣い張アプリケーションを自分用に作ってみたりとか。機能的には必要十分なものができたので、UIをもう少し作りこんで公開とかしてみたいですね。

むしろシドニーでのハイライトはロンドン経由ドバイ行きのフライトです。シドニーからドバイに直行するのもアリだったのですが、シドニー、ロンドン間は世界でも有数の長距離路線。総フライト時間は24時間程で、しかも噂の超豪華ジェット、A380が就航しているのです。ファーストクラスを優雅に堪能するのに、これ以上にふさわしいいフライトはないでしょう。普通に乗ったら片道だけで13000AUD(100万円以上!)もしてしまう路線ですが、僕の場合は問題なく世界一周航空券の一区間として予約できました。うーん、やっぱりこのチケットのお得度は半端ない。

シドニー カンタス ファーストクラスラウンジ

安宿にいるくらいならラウンジにいたほうが快適ということで、早めに宿を出たのですが、ちょっと空港に着くのが早すぎ(笑)。荷物がなければそのまま入れたらしいのですが、少なくともシドニー空港のカンタスカウンターでは荷物のチェックインは4時間前とのこと。僕が到着したのはそれより更に2時間前で、結局カウンターの前のソファでずっと待たせてもらうことに。まぁ、それでもソファの座り心地はかなりよく、宿の硬い椅子で待っているよりはだいぶマシなのですけどね。

シドニー→ドバイ1ようやく入れたシドニーのファーストクラスラウンジは、云わばカンタスの総本山。彼らが一番気合いを入れているラウンジです。天井がとても高く、広い空間をうまく活かした室内は高級感たっぷり。それでいて、内装はいたってシンプルなモダンオーストラリアンスタイル。他にも何箇所かカンタスのラウンジは利用していますが、押し並べてカンタスはセンスがいいなぁと感じます。適当なソファーに腰をかけると、スタッフが歩み寄ってきて「お飲み物は?」と聞いてきました。とりあえずはフレッシュジュースを頂きつつ、iPhoneでネットをチェック。目の前の大きな窓からは離着陸する飛行機がすぐそこに見えます。

シドニー→ドバイ1やや小腹も空いていたので食事も頂くことに。セルフサービスのスナックカウンターもあるのですが、基本はメニューからオーダーして貰ってきてもらうタイプで、コースメニューからアラカルトまで一通りそろってます。さすが、本格的なキッチンがあるだけあって、クオリティも高級レストラン並み。多分というか絶対、機内食より美味しい。しかも、当然ですが無料で食べ放題&飲み放題。ワインのラインナップはファースト機内の方が上そうですが(このラウンジにはファーストクラスの搭乗者以外にも、マイルの上級会員も入れるので)食事に関してはラウンジである程度済ませてしまうのもありかもしれません。その後、シャワーを浴びたりデザートのアイスを再度頂いたりしていたらあっという間に搭乗の時間になりました。

QF44 シドニー→ロンドン

シドニー→ドバイ1外から乗り込む機体を見たらなぜかそこには期待していたA380ではなく、旧型のボーイングが。内装も以前香港から乗ったものと同じです。CAにA380じゃないの?と聞いてみたら「今日はメルボルン便で使われてるよ」とのお返事が。うーん、僕が予約を入れた時にはA380って書いてあったのになぁ。まぁ、半年くらい前の予約ではあてになりませんよね。もちろん、旧型でもフルフラットになりますし、プライベートの空間がかなり確保されていたので快適だったのですが、既に一度乗ったことのある型だったこともあり、落胆の色が。これはいつか自分の力で乗れという何かのお告げなのですかね?

それでも、テンションが上げてくれるのがファーストクラスの食事、というかワインです。何度もこのブログで書いているように、オーストラリアには1年ほど住んでいたので、オーストラリアンワインの銘柄はそれなりに詳しいのでが、ワインリストの中に今回の意気消沈を一気に覆す逸品が。"Leeuwin Estate Art Series Chardonnay" 世界中の名だたるワインを抑えてブラインドテストで一位にも輝いたことのある、西オーストラリアの誇る最高級白ワインです。嫌な香りや酸味が一切せず、スルスルっと飲めてしまう。前回の香港→シドニー便は実質2時間くらいしか食事を楽しむ時間はなかったのですが、今回はまるっと一日あるわけで、翌日に残らないように気をつけながら、十分に堪能させてもらいました。

ドバイまでは長くなりそうなので、後半に続きます。

Where I am

Loading map..

On Twitter

Loading Tweets..

Recent Entries

From Flickr

Powered by

  • expression engine
  • midPhase
  • 世界一周ブログランキング参加中

First Class Backpacker © Satoshi Onoda. All rights reserved.