搭乗記

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9th (Tue)
Feb 2010

[day14] 香港→パース

香港→パースこの日の夜に香港からパースまで丸一にかけての移動です。ただ、パースへの直行便にはファーストクラスの設定がないため、とりあえずファーストでシドニーに移動し、そこから別途手配のチケットでパースに移動しました。この後のパース→メルボルン→オークランド→シドニーはカンタスの格安航空券による独自手配です。世界一周航空券には16回の回数制限があるのですが、今回のように独自手配のフライトを組み合わせることによりより多くの場所へ訪れることができるようになります。

QF128 Hong Kong to Sydney

香港空港のカンタスファーストクラスラウンジは税関を抜けたすぐ横。プライオリティーレーンのおかげで税関はあっという間にクリアしたのですが、その後の看板が見つからずかなり迷ってしまいました。セキュリティの関係上難しいのかもしれませんが通関後のエリアにも地図とかをきちんと配置してもらいたいものです。でも、いざ中に入ってしまえばそこは別世界、なかなか優雅な空間が広がっています。空港の建物をうまく活用した作りになっていて天井がものすごく高く、これが高級感の向上につながっている気がしました。シャワーを浴びたり軽くアイスクリームなどを食べていたらあっという間に搭乗の時間です。

香港→パース機内はまさに絵にかいたようなファーストクラスでテンションが上がります。前回のJALバンコク便とはえらい違い。近未来的なデザインのシートは一つ一つが独立している作りで、オットマンと組み合わせるとフルフラットのベッドに早変わりします。寝るときにはお願いするとシーツを敷いてターンダウンをしてくれるらしいのですが、強烈な眠気に襲われてしまって気が付いたら自分で倒して眠ってました。まぁ、シーツなんてなくたって快適なことに変わりはないのです。

香港→パース機内食はコース内の料理を自分で選択していく方式で、僕はメインに牛ステーキを選択。しばらくすると、オージービーフの巨大なものが運ばれてきました。味付けはシンプルですが一緒に出てくるワインとの相性はばっちりです。そう、ワイン。このフライトではオーストラリアを代表する高級ワインが飲み放題なのもうれしい限り。 Leeuwin Estate, Penfolds, Pierroなどミーハーな僕にはたまらないワイナリーの上級レーベルがセレクトされていて目移りしてしまいます。睡眠時間を鑑みると実質2時間くらいしか食事の時間がなかったのですが、テイスティング程度に少量ずつ飲みながら様々なワインを楽しませてもらいました。

QF571 Sydney to Perth

その後のシドニーからパースへの5時間のフライトは前述の通り格安航空券で別途手配したエコノミー。ファーストで到着してるんだから国内便もラウンジとか使えるかなと期待していたのですが、世の中そんな甘くはなく。8時間くらいを空港内でつぶすことになってしまいました。まぁ、ネット接続は有料だったものの電源が確保できたので、ブログ記事を書いたり、日本からの持ち出し仕事を終わらせたりと、やっていたことはラウンジ内と大して変わらないのではないかと。

ちなみに座席は運よく隣が空席。そのおかげで座り心地だけならバンコク→香港のビジネスクラスよりも快適なくらいでした。サービスの質的にはビジネスのほうが圧倒的にいいのは間違いなさそうなのですが、格安航空券VS正規ビジネスだと10倍近い価格差があるんですよねぇ。それを気にしなくなる余裕をいつか身につけたいものです。

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JALファーストクラスチェックインカウンター僕らを乗せたリムジンバスが、夜明け前の首都高を走り抜けます。年末だということで若干の混雑を危惧していたのですが、大晦日の早朝では渋滞も全く発生せず、7時前には成田空港第二ターミナルに到着していました。空港自体にも人はそれほど多くなく、まだ受付を開始していない、チェックインカウンターの前にまばらに人が待っているだけ。僕もその一団に加わり、ファーストクラスカウンターが開くのに合わせてチェックイン開始です。

チェックイン

JALのファーストクラスカウンターはいたって普通。一部海外の空港ではソファーに座りながらサービスを受けられるところもあるようですが、今回はエコノミーと大して変わらないカウンター越しで手続きでした。まぁ、手続きと言っても荷物を預けて、チケットとパスポートの確認をするだけなので、ほんの数分で終わってしましたが。ちなみに、預け入れ荷物はこの時点でおよそ23キロ。これにPCとカメラ一式などの精密機器が機内持ち込みとして加わったとして、トータルで30キロに届くかどうかというところでしょうか。さて、これが今後どう変化していくのか。実際、おみやげ類が結構いい重さになっているので、ここを減らせればそこそこに軽くなるはずです。

ファーストクラスラウンジ

JALファーストクラスラウンジ通関も当然ながら無問題。パスポートコントロールを抜けると、ちょうど目の前にJALのラウンジエリアがあったので、免税店などは完全に無視してラウンジに突入です。これが初めての空港のラウンジエリアだったので、実はかなりドキドキだったんですよね。手前味噌ですが、ファーストクラスですよ、ファーストクラス。僕のような一般人では、今回のような裏技でも使わない限りは一生縁がなかったかもしれません。

が、しかし、入ってみての第一声は「ふーん」。いや、調度品もなかなかきれいに整ってますし、ラウンジの窓から見える飛行機はかなり壮観なんですが、なんというかプレミア感みたいなものがいまひとつ足りていないんですよね。まぁ、直前までパークハイアットなどという、プレミア感の塊のようなところにいたので、僕のハードルが相当に高かったというのも事実なのですが。ビジネスセンターに陣取り、軽く軽食などを取りながらブログの更新などをしていたらあっという間に搭乗の時間に。慌ただしく日本最後の電話なんぞをしながら搭乗口へを向かいます。

搭乗中

JAL ファーストクラス スカイスリーパーそして、ついに搭乗。優先搭乗な上にいつもと違う方向に迎えることが優越感をくすぐります。そして、感動の快適シートとご対面、と思ったら旧型のスカイスリーパーというタイプでむしろ拍子抜けという結果に。実は事前にJALのページの運行情報を確認していて、このタイプになることは知っていたのですが、それでも最新鋭のイメージが強かったので、現物を見ると物哀しさが漂ってしまいますよね。まぁ、そんないかにもファーストクラスのシートは今後のお楽しみということで。ちなみに、来月に乗る予定のシドニーロンドン間はカンタスのA380ファーストですよ。これは絶対にスゴそうだ。

まぁ、文句ばかりが続いてしまいましたが、実際、シート自体は普段のエコノミー席とは雲泥の差の広さでかなり快適。窓もひとつの座席に3,4個はあろうかという配置で、当然、シートはフルフラットまでリクライニング可能。昼間のフライトだったので完全に倒しはしませんでしたが、足を伸ばして仮眠ができたのので、大分疲れが取れた気がしました。

機内食サービス

ランチは和食食事は、やや睡眠不足な上に若干の飛行機酔いの兆候が見られたので、あっさりしていそうな和食を選択。今後、ちゃんとした和食を食べられる機会は少なそうなので、食べられるうちに食べておこうかという意図もありました。今回のテーマは「日本の冬の味」。機上で河豚刺やてっちりなどがコースで楽しめるとのことで、実は僕の和食経験値が足りていないだけなのではないかと軽く自分に突っ込んでみたものの、これに関してはかなり美味しかったです。やや薄味なのも僕の好み。一緒に味わった日本酒も全くアルコール臭がなく、刺身との相性がバッチリでした。

それにしても、こんな状況でも日本を去るという気がしなかったのは、JALという完全な日本的空間にいたからなのでしょう。僕の知り合いには、海外出張の際には必ず日系外のキャリアを使って、機内から海外に赴く気分を高めると言っている方がいますが、確かに、周りが完全に日本人で固められていると、そこはまだ日本なわけですよ。ちなみに、CAのみなさんはベテランさんで固められていて、8人の乗客のために3人対応という構成。ちょっと声をかければこちらが恐縮してしまうくらいに丁寧に対応していただけました。経営など、いろいろと負の側面ばかりが目に付く最近のJALですが、少なくともトップレベルでのサービスはやはりトップレベルなんだなということを実感することができました。

そして到着

およそ7時間のフライトでスワンナプーム国際空港に到着です。到着した途端にまるで軽いサウナの中のような蒸し暑さ。一応、季節の上では冬らしいのですが、日本の夏よりも絶対に暑いですよ。そして空港からは宿までそのままバスで直行。タクシーの中から眺める異国の地の風景に、僕はようやく海外に来てしまったのだという実感が湧いてきたのです。

Entry Info

早朝5時、誰もいないパークハイアットのロビー。大きな荷物を抱えて空港行きのバスを待っていても、今から夢の世界一周旅行に旅立つなんてまるで実感がわきません。夜明け前の暗闇の中、ただ「またね」と言い残して、バスに乗るだけ。これから遠くの国に出かけるという事実は理解しているのに、まるで明日の約束でもしたかのような簡潔な別れ。

どうにも、僕はオーストラリアでの留学中に別れという概念が少し崩れてしまったような気がします。語学学校に通っていたおよそ一年間、あの頃は毎週のように誰かのフェアウェルパーティーがあり、「さようなら」「また会おうね」「連絡取り合おうね」そういった会話が常に繰り広げられ、涙を流したことも少なくありません。ただ、いつのころからか、その行為が日常になり、情動的になることも段々と減ってきました。

航空技術が発達した現代では、時間的な距離は驚くほどに小さいです。50年前はほんとに限られた人しか行けなかった海外旅行も、今ならば誰でも24時間以内に世界中の主要都市に飛べる時代。その気になればいつだって会いたい人のもとへと訪れることができます。しかも、facebookやskype、メールなどを代表するインターネット関連のツールを使えば、連絡を取り合うだけならばほぼノーコスト。精神的な距離に関してはどんなに物理的な距離があったとしても自分自身でコントロール可能なはずです。

出会いと別れは表裏一体。想い続けていればいれば、いつかまた必ず再会できるということを知ってしまった僕には、寂しさと不安からこぼれ落ちる涙はもう出てこないのかもしれません。少しだけ名残惜しそうに、明け方の東京を眺める僕を乗せて、バスは首都高を抜けて成田空港へと向かって行きました。このときの、僕の頭の中のBGMはMr.Childrenの天頂バス。星になれたらも好きなのですが、やっぱりこの歌が一番僕の旅立ちにしっくりきます。

そろそろ時間だ
急いで鞄に詰めよう
隅から隅まで未来を書きためたネタ帳 A.B.C
天国行きのバスで行こうよ
揺れるぞ 地に足を着けろ
己の直感と交わした約束を
果たすまできっと僕に
終点などねぇぞぉ

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