イスタンブール

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イスタンブール的生活さて、閑話休題。イスタンブールの観光話に戻りましょう。エジプトから北上しながら旅をしてきた僕らにとって、イスタンブールはもう僕らの知っている中東の街ではありません。整備された道路に、近代的なビル群、そして素肌を露出しながら歩く若い女性たち。トルコに入ってからはアルコール類の入手もとても容易になりました。レストランには大抵お酒が置いてありますし、バーや酒屋もそこらじゅうにあります。おまけにイスタンブールのバーにはこんなポスターが貼ってありました。残念ながら豚肉はまだ非常に限られたところでしか食べられないようですが、厳しいイスラムの教えの中で生きている国とは明らかに違う雰囲気がそこにはありました。

イスタンブール的生活対してヨーロッパ側からイスタンブールに入って来た人たちは、みな口を揃えてもはやここはヨーロッパではないと言います。街中に林立する巨大なモスクの尖塔、オープンカフェで水煙草を吸いながらボードゲームに興じる人たち。マーケット、露店、ケバブを始めとする特徴的な食事。人々の顔つきもヨーロッパのそれとは雰囲気が違いますしね。ではイスタンブールとは一体何処の地方なのか?と考えると、もうイスタンブールはイスタンブール、何処にも属さないオンリーワンということでいいような気がしてきました。

今回は2週間程度の比較的長期な滞在だったので、様々なところを歩き回りました。そこまで「観光」と意気込むのでもなく、のんびりと散歩をしながら時折写真を撮る程度で。多くの人が暮らす大都会イスタンブールでは、観光者として気を張るのではなく、そこに暮らしているように自然体で生活するのがここち良かったです。商店街でウィンドウショッピングしたり、スポーツバーに一人でサッカーを見たりとか。

イスタンブール的生活そんな中での僕のお気に入りのスポットは新市街と旧市街を繋ぐ、ガラタ橋というところ。夕方ごろにここを歩くと、蒼から橙そして紺へと移る空をバックにカモメがゆっくりと風に乗って飛んでいて、何とも言えない哀愁が漂っているんですよね。しかも、日没は対岸のモスク越し。夕飯はそのまま橋の下にあるシーフードレストランで金角湾に反射する夜景を眺めながら取るのもアリですね。他のエリアよりも若干高めの設定ですが、中にはリーズナブルなお店もあるのでメニューを見ながら予算に合ったお店を探しましょう。

イスタンブール的生活そう、以前のエントリーでも触れていますが、トルコと言えば日本人にはお馴染み、世界三大料理の発祥の地。ギョレメでの料理もとても美味しかったのですが、特にイスタンブールは港町でもあるので近海で取れた魚介類が豊富なのです。ケバブなどに比べて若干高級な部類に入るので毎日のようには食べられませんでしたが、それでもシンさん&トモコさんと別れる前夜に一緒に食べた魚の塩焼きのジューシーさと言ったらもう。日本以外で美味しい魚の塩焼きにん出会えると思っていなかったのでこれは感動でした。もう少し予算が潤沢だったらロブスターとかにも手を出したかったんですけどねぇ。再訪する機会があったらぜひ試してみたいものです。

イスタンブール的生活そしてもう一品トルコ料理として欠かせないのが、焼きたてのトルコパンです。大抵のレストランでは何か一品頼むとパンが無料でついてくるのですが、これがほぼ例外なくモチモチフカフカで美味しいのです。トルコのあとも、様々な「パンが美味しい」と言われる国を旅することになるのですが、僕の好みではトルコのパンが一番美味しかったと自信を持って言えますね。サラダとディップソースを頼んでパンをおつまみにビールを飲むのが体にも財布にもヘルシーでよくやっていました。

トルコでのアトラクションと言えば、やはりハマムでしょう。ダマスカスで感動して以来、ハマ、ギョレメと事あるごとに利用してきたのですが、最後に本場のイスタンブールで締めるというにはいい選択だったかと。今回はシンさんと一緒に、地元の人御用達の伝統的なハマムに行ってみました。蒸気で熱せられた大理石の上に寝転がっていると体中から玉のように噴き出る汗もろとも、旅の疲れまで流れ落ちるようです。そして、今回の目玉は垢すり。髭もじゃ胸毛ボーボーのトルコ人のおっさんに体を摩られ呻き声を漏らす日本人男子2名。文字にすると何やら怪しい表現になってしまうのですが、今までに経験した中でも最強にパワフルで痛気もちさ全開。ものすごい量の垢がこぼれ落ち、シャワーを浴びた後の肌のスベスベ感は尋常じゃなかったですよ。

イスタンブール的生活そして、繰り返しますがここはトルコ。そうアルコールの飲める国です。さすがにハマムは伝統的な施設のためアルコール類は置いていなかったのですが、ここはグッとソフトドリンクの誘惑を断ち切り、黄金の液体を求めて街を歩きました。昼下がりに飲む、トルコの国民的ブランド、エフェスドラフトはたまらなくウマいです。思わず、くはぁとCMのような表情でビールを飲み干してしまいました。

それにしても、今更ながらほんとに居心地のいいところでしたね、イスタンブールは。物価もそこまで高くなく、人々も親切で、ネット環境も申し分なし。たまに客引きがうるさい時がありますけど、エジプト付近の酷さを知っている身としては可愛いものです。中東旅行の終着地としてしっかりと羽根を伸ばすことができました。そして次の目的地は、中東は中東でも別世界、遂にイスラエルへ突入です。

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イスタンブールは前回の冒頭にも書いたとおり、アジアとヨーロッパの合流点、つまりユーラシア大陸を旅する旅人達が一堂に会する場所でもあるのです。そいう土地柄なので安宿の数もかなり多く、数が多ければ競争原理が働いて宿のクオリティも上がる、ということになります。実際、hostelworldで検索すると、85点以上の高評価を得ている宿が目白押しです。経験上85点以上ならまず外れることはまずないのですが、こんなに多いとさすがに目移りしちゃいますよね。そこで今回はここイスタンブールを例に僕の安宿の選び方を説明してみようと思います。

まず、部屋の形態はコスト的にドミトリーで問題なし。4人部屋くらいが落ち着いていていいのですが、あまりにも値段に差が出るときは大部屋も検討します。そして重要なのはできればミックス(男女一緒)部屋を選択すること。もともとミックスしか設定のない宿ならなお望ましい。これは何も可愛い女の子と同じ部屋で寝たいなどという下心があるわけではないですよ。大丈夫、好みど真ん中の女の子が同室になることなんてまず無いですから。では何故ミックスを選ぶかというと、いびきのうるさいおっさんを避けるためです。公害並みにうるさい人、結構いますからね。耳栓すらも無力化する大音量とか。対して女性でいびきをかく人は殆どいないので、夜はとても静かで寝安いんですよ。

続いて一番重要なレーティング要素を。まず最初に気にするのはStaffですね。僕は安宿の一番の肝はスタッフだと思っています。建物や設備のようなハード面はコストと直結してしまうので普通のホテルに敵わないのは当然ですが、スタッフの態度などソフト面ならその場で働いている人たちの工夫でどうにでもなりますから。以前も書いている、バンコクのNiras Bankoc、ギョレメのYashin's Backpackers Cave Hostelなどもそうなのですが、親切な安宿のスタッフはとてもフレンドリーに旅人の相談に乗ってくれていました。ある意味、バックパッカー向けのコンシェルジェ。態度は若干フランクではありますけど、超一流ホテルの提供するパーソナルなサービスにも劣らない親切さです。

次はCleanness。安宿は汚くて当然と思われているかもしれませんが、意外と綺麗なところも多いんですよ。しっかりしているところは専任のスタッフが一日中掃除をしています。豪華と清潔は全く異なる要素。シンプルなベッドだけの部屋でもきちんと清掃されている宿は暮らしていて居心地がいいです。こっちが寝ていようと昼前には掃除のおばちゃんが部屋に入ってくるのはご愛嬌。放置されて部屋が汚いままよりずっといいです。

Locationは街の性格によりますね。小さな街である程度のエリアが徒歩圏内なら街の真ん中や駅の近くにある方が便利でしょうし、どこに行くにも公共交通機関を利用しなくてはいけない場合は、多少中心から外れていたとしても他の条件を満たすことを優先した方が安くていい宿をとれる気がします。イスタンブールの場合は、新市街と旧市街に別れていたので、各エリアでアクセスがなるべくいいところを選ぶようにしました。

レーティングで最後に外せないのは、Funの値が低めであること。低い方がいいって意外ですか?これは客層の問題なんです。欧米出身の若い旅行者は日本人の旅人とはかなり傾向が違っていて、旅行に来たら騒いでなんぼという人達がすごく多く、彼らと話をしていると大体その街のナイトクラブとかパブの話がメインになります。Funの値が高い宿は往々にしてそういう騒ぐことが大好きな人が集まるパーティ宿のケースが高いのです。時にはスタッフが率先して宿泊客を地元のバーに案内してくれることもありますよ。でも、単に酒を飲んでバカ騒ぎをすることは僕の趣味ではないですから。こういう人達を避けるために、敢えて「楽しくない」宿を選ぶことも多いです。そうした結果、純粋に旅を楽しんでいる人たちに出会え、彼らと杯を交わしながらのんびりと語りあうなんてことも発生したりします。

宿泊者からのレビューは参考程度に。高評価な文章は気にしないのですが、定評かな内容はしっかり読みましょう。偶然何かが壊れていたとか、オーバーブッキングされていたとかはたまにあるので仕方がないと思うのですよ。ただ、スタッフの態度が悪かったとか、物が頻繁に盗まれるというようなレビューが直近に頻発していたら要注意ですね。

価格に関してはそれほど気にしていないです。そもそもhostelworldから見つけるドミトリーの部屋なら安さは十分なので。おそらく、このブログの読者の方は理解されていると思うのですが、最安値を狙ってオンボロのところに行くならば、多少余計に払うことになっても評価の高いところに行きたいというのが僕の旅のスタイルなのです。言うならば、僕はファーストクラス バックパッカーなので安宿でもファーストクラスなところを取るよということで。

そんなわけで、僕がイスタンブールの宿として決めたのは、Chambers of BohemeAgora Hostelという二ヶ所です。hostelworldで詳細を見てみると、上記の検討プロセスにうまくマッチした宿だということがわかると思います。宿泊してみた結果もまさに僕の狙い通りの宿で両方とも清潔で落ち着いた雰囲気。どちらも甲乙付け難しですね。

新市街のメインショッピングストリート、イスティクラ通りから一本だけ入ったところにあるChambers of Bohemは名前の通りボヘミアンなデザインで一階と二階はお洒落なカフェスペース。朝食はそのカフェで出される美味しいコーヒー付でした。食べ物の持ち込みは残念ながら禁止でしたけど、カフェに置いてあるクラシックなソファに腰掛けながらPCを使えるのもポイント高し。

対して旧市街の裏側に位置するAgora Hostelは最上階にあるオーシャンビューのテラスが自慢。朝食はその最上階で取るビュッフェ形式で、パンやシリアル、ゆで卵といったベーシックなものだけでなく、数種類のハムや自家製のブラウニーまである豪華さ。この一帯は安宿が集まっているエリアらしく、付近にはお手頃価格のレストランも多かったです。

一口にドミトリーの安宿と言ってもいろんなキャラクターがありますよね。前回紹介したような日本人宿だったり、朝までバーが空いているパーティー宿だったり、お洒落なブティックホステルだったり。自分がどんな宿が好きかというのをしっかり把握しておくと、ハズレを引くことが少なくなってくると思いますよ。そして、敢えて自分の趣味じゃないところに挑戦してみるのもまた一興だったりします。特にヨーロッパはhostelworld的激戦区なので、いろいろな宿があって楽しいですよ。

Entry Info

アジアとヨーロッパの掛け橋、その言葉が文字通り当てはまるのがボスポラス海峡にまたがって広がるトルコ最大の都市、イスタンブールです。当初の日程ではギョレメからパムッカレという石灰棚と温泉で有名な保養地を訪ねることも考慮に入っていたのですが、当時は完全な観光地をハイテンションで過ごすというよりも、むしろ都市型の生活でのんびりしたいという気持ちの方が強く、シンさん&トモコさんと一緒にイスタンブールを目指すことにしました。ギョレメから夜行バスに乗って10時間程度、街のシンボルとも言える巨大なモスクの尖塔が見えてきたときにはかなり興奮しましたよ。

イスタンブールはボスポラス海峡を境にアジア側、ヨーロッパ側と別れています。多くの歴史的見どころが集まっているのはヨーロッパ側の南側、金角湾によって隔てられた旧市街エリアです。その北側にある新市街は近代的なビルとショッピングエリアが広がった大都会になっています。計画段階から楽しみにしていて街だったということもあり、事前に新市街と旧市街でそれぞれ5泊ずつ、合計10日間の宿をhostelworld経由で予約していたのですが、やや前倒しで到着してしまったので繋ぎの宿を確保しなくてはいけません。そこで、今回は中東を巡る日本人バックパッカーの常宿となっているツリーオブライフというところを利用してみることにしました。

ブルーモスクから徒歩10分弱、トラムの走るメインストリートから一本入った雑居ビルの中にツリーオブライフはありました。薄暗い階段を上って4階のレセプションまで行くと、そこは絵に描いたような典型的な日本人宿。本棚には地球の歩き方と漫画がギッシリで、どの時間に行っても誰かがタバコをふかしながらそれらの本を読み漁っています。ちなみに、ここで働いているスタッフの人は正規雇用者ではなく、長期滞在している人が宿代(+お小遣い)と引き換えに住み込みで「管理人さん」をやっているようです。オーナーさんは別のところに住んでいてたまに顔を出す程度とのこと。実は法的にはグレーゾーンらしいのですが、宿代を節約したい貧乏旅行者と、人件費を節約したいオーナーさんとのウィンウィンソリューション。ビジネスモデル的にはありかもしれません。

このツリーオブライフの魅力は何と言ってもその安さ。ドミトリーが1泊8ユーロというのはイスタンブール価格としては激安の部類に入ります(ちなみに後日滞在することになるhostelworld経由で予約したところは1泊15ユーロします)。しかも、同宿の日本人同士で一緒に自炊してしまえば生活費は更に劇的に下がってしまうわけで。滞在費を出来るだけ低く抑えたい貧乏旅行者には最適の宿と言えるのではないでしょうか。しかも、世界中の地球の歩き方が揃っている上に、運が良ければその足で実際に旅してきた人たちも滞在している可能性があるのです。今後の旅のプランを練るにもよさそうですね。

ただ、僕自身は正直なところ宿に流れている雰囲気がちょっと苦手でした。言い方は悪いかもしれませんが、淀んでいるというか、日本人の旅人の特徴的な人生に退屈したグダグダな感じが漂っているのです。ダハブのセブンヘブンは、ダイビングに夢中な人が殆どで潜らない人たちも毎日の暮らしを楽しんでいたのですが、このツリーオブライフでは「ヒマだ、今日は何をしよう」的な会話が聞こえてくるんですよね。面白そうなことはそこらへんに転がっているにも関わらず。まぁ、直接話してみればいい人たちが多く、よく話に聞く「偉そうな古株」な人はいなかったので、表面上の人間関係はスムーズでしたけど。ある意味これも日本人的。あとは、お世辞にも清潔といは言えないところも僕にはマイナス。激安宿なので文句を言えないところではあるのですが、プロじゃない管理人さん一人に清掃まで任せておくには限界がありそうです。

それでも、これは単に僕の嗜好と合わなかったのが問題というだけで、安さとか日本人の仲間、情報に重きを置いている人たちには、ツリーオブライフはかなりアリな選択肢になると思いますよ。僕自身、最終日はひたすらスラムダンクを読み続け、一晩で全巻制覇とかしてしまいましたし。こんな外国まで来て日本の漫画を読み耽っているなんてかなり不思議なシチュエーションなのですが、ある意味日本人宿を満喫したと言っていいのではないかと。

では、僕がhostelworldで見つけた宿はどんなところか、という話はこのエントリーが長くなりつつあるので、次回に続きます。せっかくなのでhostelworldの利用に対するティップス的な内容も書いてみますね。

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