Jun 2010
[day100] 北上開始 - ペトラ
ダハブで一緒になった4人の仲間たちと一緒にヨルダン方向へ北上開始。まずはヌエバからヨルダンのアカバに向かうフェリーに乗って紅海を渡ります。このフェリー、外国人はほぼ強制的に「高速艇」に乗せられるのですが、こちらお値段60USD(+出国税10USD)とエジプトの物価としては超高額。ダハブでの3日分の生活費以上ですよ。でも、その分フェリーの中は砂粒ひとつ落ちていないくらいにピカピカ。エジプトで使用した乗り物の中で群を抜いて快適でした。
でも、運航スケジュールはやっぱりエジプトクオリティ。フェリーは12時頃に出発するからと言われて急かされて到着したものの、待てども待てども動く気配はなく。数時間待ってやっとのこと乗船開始、しかしここで更に待機時間が発生し、ようやく船が動きだしたのは夕方17時頃だったかと。結局、フェリーがアカバに到着した頃には既に周りは真っ暗になっていて、入国手続きを済ませて外に出れたのは21時過ぎです。
普段の一人旅だとここは翌朝まで待って安いバスに乗ることを選択するところなのですが、今回は頼もしい仲間たちと一緒。タクシーでペトラまで直行してもみんなで割れば大した金額にはならないということで、その場でドライバーたちと交渉を開始です。しかも、彼らはみんな百戦錬磨の手練たち。粘り強く交渉すること15分くらい、5人で40JOD(5500円位)と当初の言い値の半額以下まで値切ることに成功です。うーん、仲間がいるって素晴らしい。
ヨルダンの道路はしっかりと舗装されていてエジプトと比べてとてもきれいでした。走っている車もちゃんと整備されていましたし、信号もかなり久しぶりに見かけました。なんだか、こんな当たり前の光景にいちいち声を上げて反応している僕ら5人が田舎者のようですね。ワゴン車に揺られながら2時間弱、少し肌寒くなってきたなぁと話していたら、標高1000メートルのペトラに到着です。今回は圧倒的な安さで貧乏旅行者に人気の「バレンタイン・イン」にチェックイン。ドミトリーが3JOD(400円弱)というのはかなりお得かと。
翌朝からはすぐに遺跡観光に出発です。宿から実際の遺跡のある場所までは徒歩だと30分以上かかるらしいのですが、毎朝7時と8時に無料のシャトルバスが出ているとのこと。もちろん帰りの便もあります。さすがに前の晩の到着も遅かったので、8時のバスに合わせてみんなで起きたのですが、ここで意外な落とし穴が。ヨルダンはエジプトのほぼ真北で時差もないものだと思い込んでいたのですが、なんとサマータイムなる存在が発覚。そしてそんな事実には誰ひとりとして気づかずに実質9時にしっかり集合してきた日本人グループのみんな。結局宿のおっちゃんが気を利かせてくれてバスを手配してくれたので助かったのですが、国が替わったら必ず時差は確認しようという教訓が体に染みつきました。
ペトラの入場料は悪名高いボッタクリ価格で、一日券が33JOD(4500円位)とちょっとしたテーマパーク並みの入場料です。さらに2010年11月からは一気に50JODに値上がりするとか。かなり強気ですね、ヨルダン政府。でも「そんな高い入場料を払ってでも見る価値はあるのかこの遺跡?」と問われたら、それでもGOと応えてしまうでしょう。(少なくとも33JODなら。50JODってのはちょっと考えさせてください…) 確かに、この遺跡はちょっとしたテーマパーク以上の広さを誇り、丸一日以上時間を費やせるほどのスケールを持っているのです。実際、丸一日のツアーに出かけてしまうとここと大して変わらない値段がかかってしまいますしね。
エントランスで皆と別れてひとり平坦な道を歩いて行くと、切り立った崖が目の前にそびえ立ちその中に更に道が延びています。そして、そこからしばらく進むと急に視界が開け、崖の切れ間から岩肌をくり抜かれた巨大な神殿「エル・カズネ」が登場。脳内BGMはもちろんインディジョーンズのテーマです。そう、僕はこれを見るためにここにやって来たのでした。ちょっと人が多くて興醒め感はありましたけど、それでもあの巨大な神殿には十分に圧倒されましたよ。他にも大小の遺跡や劇場跡が順路に沿って点在しているので、横目に見ながらひたすらに道を進みました。
しばらく歩いていると、崖の中腹に小さな看板を発見。「要塞はこっち」的なことが矢印と合わせて書かれています。他のは見向きもせずにメインの順路を進んでいるのですが、ここは「人の行く裏に道あり花の山」ということで、試しに看板に沿って行ってみることにしました。何個かの矢印に従うこと数十分、どうやら山の中腹から裏側に抜けルートに出てしまったようです。眼下には人がワラワラと歩いているのがわかるのですが、こちらのコースはごくたまに反対側から来た人とすれ違うというくらいの人の量。どうやら今回の相場観は当たりだった模様です。自分もその一人なのでわがままは言えないのですが、やっぱり観光客が少ないと落ち着いて写真が撮れるので楽しいですね。
歩き回ること丸一日。確実に10キロ以上は歩いたでしょう。帰りのシャトルバスがやってくる頃にはもうクタクタで、夕飯も外に出る気にもなれずそのまま宿でオプションのビュッフェを注文してしまいました。そしてこれが意外と大当たり。チキンライスやサラダなど典型的なアラブ料理だったのですが、前日からまともな食事をしていなかったこともあってとても美味しくいただけました。その後のみんなで大貧民をしながらのビールもウマい。ペトラは遺跡以外はこれと言って何もないところなので、翌日は早朝起床でヨルダンの首都アンマンに向けて移動です。