Nov 2010
[day142] テルアビブで夜遊び
イスラエルの都市というと真っ先に思い浮かぶのはきっとエルサレムですよね?僕自身も当初はテルアビブ空港からエルサレムに直行しよと考えていたのですが、当時書いていたAdobe Edgeの記事の関係でINKOD HYPERAというイスラエルでもトップクラスのWeb制作会社とコンタクトがとれたので、取材を目的としてテルアビブ市街にも立ち寄ってみることにしたのです。
テルアビブはユダヤ人の入植に伴い地中海沿いに発展した近代的な都市でイスラエル経済の中心を担っています。下町的なところは中東の都市独特の灰色な雰囲気をまとっているのですが、市街地には高層ビルが立ち並び、ヘブライ語で書かれた看板がなければ他の先進諸国の主要都市と大して変わらないような見た目をしています。そして地中海に面した海岸は綺麗に整備され、ビーチには当然のように水着姿のお姉さんがたくさん!
いや、この水着の女性が普通という状況は男性の目の保養以上に女性にとってもメリットが大きいはずですよ。特にエジプト/ヨルダン辺りで顕著だったのですが、戒律によって男女交際を著しく制限されたムスリム男性も、異教徒の女性に対しては何をしてもお咎めなしという風潮があり、女の子に対するセクハラが酷いのです(中東は押し並べて安全でいいところですが女性は地域によってはある程度気を引き締めておいた方がいいと思います)。対してイスラエル人はみんな女の子慣れしていますから不快なほどにガツガツ来る人たちは圧倒的に少ないはずかと。
閑話休題、そんなテルアビブは近代化されている分、物価に関しては周囲の国々よりもかなり高めです。おそらくイスタンブールと同等か高いくらいかと。宿がドミトリーで一泊1500円前後。一泊500円でお釣りの来るヨルダンやエジプトから入ってくる旅人の財布にはそれなりのダメージがあるかもしれません。それでも、日本やヨーロッパと比べればそこまで高くないですし、むしろ他の先進諸国と同等クオリティのサービスが比較的安価で受けられるお得な街という捉え方もできる気がします。
実際、INKODへのインタビューの後は会話の途中で話題に上がった高層ビルの最上階にあるバーにひとりで行ってみたのですが、二杯飲んでチップを入れたお会計が100シュケル(2500円位)。東京の高層ビルの上で飲んだら席代だけでそのくらい発生してしまいそうです。しかもチップ制なのでバーテンのお姉さんの愛想もかなり良く。軽く雑談をしていたらオリーブの小皿を貰ってしまいました。やはり、たまにはこういうところで羽を伸ばすのもいいですね。日本にいたころはひとりで飲みに行くなんて滅多にしなかったのに、この旅の途中ですっかりクセが付いてしまいました。
そしてテルアビブのナイトライフと言えば、INKOD創業者のイランさんがクラブ巡りに連れ出してくれたのは忘れられない思い出の一つです。ユダヤ教徒の安息日にあたる金、土曜日は商店の類が殆ど閉まってしまう上に公共の交通機関は完全に麻痺状態に陥いるので旅人の間では敬遠されているのですが、イランさん曰く現地の若者にとっては安息日とはつまりはウィークエンドで、その日の晩のクラブはかなり賑やかな事になっていると。そんな話、聞いたことがありません。「サトシに本当のテルアビブを見せてあげよう」という彼のお誘いにありがたくのっかり、土曜の夜の街に繰り出すことになりました。
最初に入ったところはビーチ沿いにあるホテルのバルコニーを利用したラウンジクラブ。厳重なセキュリティチェックを抜けて中に入ると、そこには確かに夥しいほどの若者が。折しも当日はサッカー欧州CLの決勝日で巨大なスクリーンに流れるサッカーの映像をバックにDJがお洒落なラウンジ音楽を流しています。街に流れている静寂とはまるで正反対。
そして不思議な事にこのクラブでは圧倒的に女性(しかも皆美人!)の数が多かったのです。美人が多いのはイスラエル人は世界中から集まって来たユダヤ人の混血だからとか仮説を立ててみたのですが、真相はよくわからず。しかも女性の方が積極的とか。僕は翌日にはエルサレムに発つ予定を立てていたので、特に何もなかったのですが、時間にゆとりのある男性は絶対に行ったほうがいいですよ、ここ。だって楽園だもの。
そしてハシゴして行った二軒目は港湾エリアにある大型のクラブ。屋外では一軒目のラウンジのように夜風に吹かれながらリラックスして話をしている人ばかりなのですが、その奥には大音量の音楽が外にも漏れてくる建物が。その箱の中に入るとフラッシュライトが頻繁に焚かれ、ミラーボールも周る典型的なダンスフロアでした。身動きができないほどにぎゅうぎゅう詰めの空間で皆が思い思いに体を動かしています。
僕自身、意外とこういう空間ってかなり好きなんですよね。特に踊れるというわけでもないのですが、目を閉じてお腹の奥まで響くリズムに身を委ねていると世界には自分だけしかいない感覚になれるのです。実際には周りはものすごい人ごみなんですけど、誰も僕のことなんて気にしてないですし。
そんな感じでテルアビブでは夜遊び三昧な日々を過ごしてしまいました。現地に知り合いができると一介の観光者ではなかなかできないことができるのが美味しいところです。