Entry Info

Tel Aviv Night Outイスラエルの都市というと真っ先に思い浮かぶのはきっとエルサレムですよね?僕自身も当初はテルアビブ空港からエルサレムに直行しよと考えていたのですが、当時書いていたAdobe Edgeの記事の関係でINKOD HYPERAというイスラエルでもトップクラスのWeb制作会社とコンタクトがとれたので、取材を目的としてテルアビブ市街にも立ち寄ってみることにしたのです。

テルアビブはユダヤ人の入植に伴い地中海沿いに発展した近代的な都市でイスラエル経済の中心を担っています。下町的なところは中東の都市独特の灰色な雰囲気をまとっているのですが、市街地には高層ビルが立ち並び、ヘブライ語で書かれた看板がなければ他の先進諸国の主要都市と大して変わらないような見た目をしています。そして地中海に面した海岸は綺麗に整備され、ビーチには当然のように水着姿のお姉さんがたくさん!

いや、この水着の女性が普通という状況は男性の目の保養以上に女性にとってもメリットが大きいはずですよ。特にエジプト/ヨルダン辺りで顕著だったのですが、戒律によって男女交際を著しく制限されたムスリム男性も、異教徒の女性に対しては何をしてもお咎めなしという風潮があり、女の子に対するセクハラが酷いのです(中東は押し並べて安全でいいところですが女性は地域によってはある程度気を引き締めておいた方がいいと思います)。対してイスラエル人はみんな女の子慣れしていますから不快なほどにガツガツ来る人たちは圧倒的に少ないはずかと。

閑話休題、そんなテルアビブは近代化されている分、物価に関しては周囲の国々よりもかなり高めです。おそらくイスタンブールと同等か高いくらいかと。宿がドミトリーで一泊1500円前後。一泊500円でお釣りの来るヨルダンやエジプトから入ってくる旅人の財布にはそれなりのダメージがあるかもしれません。それでも、日本やヨーロッパと比べればそこまで高くないですし、むしろ他の先進諸国と同等クオリティのサービスが比較的安価で受けられるお得な街という捉え方もできる気がします。

Tel Aviv Night Out実際、INKODへのインタビューの後は会話の途中で話題に上がった高層ビルの最上階にあるバーにひとりで行ってみたのですが、二杯飲んでチップを入れたお会計が100シュケル(2500円位)。東京の高層ビルの上で飲んだら席代だけでそのくらい発生してしまいそうです。しかもチップ制なのでバーテンのお姉さんの愛想もかなり良く。軽く雑談をしていたらオリーブの小皿を貰ってしまいました。やはり、たまにはこういうところで羽を伸ばすのもいいですね。日本にいたころはひとりで飲みに行くなんて滅多にしなかったのに、この旅の途中ですっかりクセが付いてしまいました。

そしてテルアビブのナイトライフと言えば、INKOD創業者のイランさんがクラブ巡りに連れ出してくれたのは忘れられない思い出の一つです。ユダヤ教徒の安息日にあたる金、土曜日は商店の類が殆ど閉まってしまう上に公共の交通機関は完全に麻痺状態に陥いるので旅人の間では敬遠されているのですが、イランさん曰く現地の若者にとっては安息日とはつまりはウィークエンドで、その日の晩のクラブはかなり賑やかな事になっていると。そんな話、聞いたことがありません。「サトシに本当のテルアビブを見せてあげよう」という彼のお誘いにありがたくのっかり、土曜の夜の街に繰り出すことになりました。

最初に入ったところはビーチ沿いにあるホテルのバルコニーを利用したラウンジクラブ。厳重なセキュリティチェックを抜けて中に入ると、そこには確かに夥しいほどの若者が。折しも当日はサッカー欧州CLの決勝日で巨大なスクリーンに流れるサッカーの映像をバックにDJがお洒落なラウンジ音楽を流しています。街に流れている静寂とはまるで正反対。

Tel Aviv Night Outそして不思議な事にこのクラブでは圧倒的に女性(しかも皆美人!)の数が多かったのです。美人が多いのはイスラエル人は世界中から集まって来たユダヤ人の混血だからとか仮説を立ててみたのですが、真相はよくわからず。しかも女性の方が積極的とか。僕は翌日にはエルサレムに発つ予定を立てていたので、特に何もなかったのですが、時間にゆとりのある男性は絶対に行ったほうがいいですよ、ここ。だって楽園だもの。

そしてハシゴして行った二軒目は港湾エリアにある大型のクラブ。屋外では一軒目のラウンジのように夜風に吹かれながらリラックスして話をしている人ばかりなのですが、その奥には大音量の音楽が外にも漏れてくる建物が。その箱の中に入るとフラッシュライトが頻繁に焚かれ、ミラーボールも周る典型的なダンスフロアでした。身動きができないほどにぎゅうぎゅう詰めの空間で皆が思い思いに体を動かしています。

僕自身、意外とこういう空間ってかなり好きなんですよね。特に踊れるというわけでもないのですが、目を閉じてお腹の奥まで響くリズムに身を委ねていると世界には自分だけしかいない感覚になれるのです。実際には周りはものすごい人ごみなんですけど、誰も僕のことなんて気にしてないですし。

そんな感じでテルアビブでは夜遊び三昧な日々を過ごしてしまいました。現地に知り合いができると一介の観光者ではなかなかできないことができるのが美味しいところです。

Entry Info

周知の通りイスラエルは周辺国と非常に深刻な政治上の火種を抱えていて、イスラエルに入国したという証拠があると、シリア、レバノンを始めとする多くのイスラム諸国に入国できなくなってしまいます(ちなみに、ヨルダン、エジプトは今のところ正式に国交を結んだ状態なので渡航可能)

以前のアンマン編でもこの内容に触れているのですが、この地域を周遊するバックパッカーがこの問題を回避する方法は二つ。イスラエル入国の際に「ノースタンプ」とお願する、もしくはシリアやレバノンといった国に先に行ってしまい「思い残すことは何もない」状態で潔くパスポートを差し出すか。旅人の間で一般的なのは前者なのですが、僕はノースタンプにまつわるごたごたが面倒そうだったので後者を選択しました。ここはむしろシリアスタンプの隣に仲良くイスラエルスタンプが押されていた方が面白いかなと。

さて、イスラエルは常にテロの危険に晒されているので、イスタンブール空港での搭乗手続きの段階から入念なセキュリティチェックが入りました。チェックインカウンターの列に並んでいると、イスラエル人の検査官が二人一組で全ての乗客のパスポートをチェックし簡単な質問をしています。そして、僕のパスポートを見た検査官の手がピタリと止まりました。そう、僕のパスポートには数ページにわたってシリア/レバノンというイスラエルと公式に戦争状態にある国のスタンプがびっしりと押されてあるのです。他にもエジプトやUAEなどアラブ圏のスタンプを見ながら何やら渋い顔をしています。

そこからは、他の人とは明らかに態度が変わっての質問攻め。イスラエルへの渡航目的に始まり、中東への渡航目的、家族構成、職業、どうやって世界一周旅行なんかの大金を貯められたのか、などなどかなり個人的な事まで根ほり葉ほり聞かれました。僕としては何も悪いことをしているわけではないので、胸を張って正直に質問に答えるだけです。こんなところで嘘をついたところでいいことなんて一つもないですしね。ただ、ここで足止めを食らってしまった関係で、イスタンブール空港のラウンジを使う時間は殆どなく。フライト時間は僅か2時間程度。空港での手続きの時間より短いですね。地中海を縦に越えるだけなのですぐそこです。

そして、まさに「関門」テルアビブ空港パスポートコントロール。じゃぁ、気兼ねなくスタンプをよろしくとパスポートを差し出すと、また検査官の手が止まりました。例によって渡航目的などの紋切り型の質問を繰り出した後で、何やら内線でやり取りをしています。そして暫くしてからやって来た別の係官を指さし「あの人に着いて行ってもらえる?」と。はい、噂の別室送り来ましたよ。ちなみにパスポートは最初の検査官に預けたままです。別室と言っても、そこはパーティションで分けられた待合室のような空間で、僕が中に入った時には既に何組かの先客達が、空港にありがちな固い椅子に座りながら不安そうに自分の名前が呼ばれるのを待っていました。

幸か不幸かこの区画ではwi-fiが通じていたのでTwitterで実況中継などをしつつ待っていたのですが、(今となってはもしかしてネットワーク内容をモニタリングされていたのではないかと軽く訝ってしまいますが)待てども待てども呼ばれない。僕よりも先に来た人がすぐに呼ばれることもありましたし、僕よりもずっと前から待っている人もいます。ここで誰を呼ぶかも向こうのさじ加減のようで、明らかに苛立っている人も数名。僕は不安な表情はだしつつも、冷静に待ちます。まぁ、本当に最悪の事態が発生したところで入国不許可なだけで、それは新たに旅のネタが増えるだけですし。

待たされること2時間弱、ようやく僕の名前が呼ばれました。ここからは美人な検査官と個人面談です。イスラエルは国策として外国人と接する人たちに意図的に美女が選ばれているという噂が(複数名の知人談)。冷淡な金髪美女に個人的な質問を徹底的に浴びせられるとは、これは一体なんというプレイ。

ちなみにここでされる質問は基本的にトルコ出国時と同じような内容です。これは嘘をついていないか裏を取るため。僕は嘘をつきようがないので、正直に解答するだけなのですが、お姉さんのイジワルな視線と質問の仕方が何とも言えません。「なんでシリアなんかに行ったの?」という質問に「世界一周旅行中でこの地域の文化に興味があった。でも、イスラエルのスタンプがあるとシリアに入れてもらえないじゃない?でも逆はOKみたいだから先に行くことにしたんだ」と答えたところ、わざとっぽく微笑みながら「へぇ、そうんだんだぁ、知らなかったわ」とのコメントが。お姉さん、S度全開で惚れそうです。「じゃぁ、シリアスタンプがあっても入国を許すイスラエルはいい国って事よね?」イエス、アブソルートリー。

結局、15分程度の尋問で開放してもらえました。そして、最後に「じゃぁ、この紙を持ってパスポートコントロールに行ってね」とパスポートと一緒に一枚の紙切れが。言われた通りその紙を窓口で手渡すと、まさに通行手形、無事に通関でイスラエル入国完了です。しかし、ここで重大な事実に気がつきました。あれ、パスポートにスタンプを貰っていない気が…。空港でもノースタンプをお願いすることは一応可能だとは聞いていたのですが、まさか僕に適用されるとは。というか、僕としてはむしろスタンプ押してもらうつもりで来たんですけどね。まぁ、結果オーライ。この後も中東を旅できるのだということでよしとしておきましょう。

Entry Info

イスタンブール的生活さて、閑話休題。イスタンブールの観光話に戻りましょう。エジプトから北上しながら旅をしてきた僕らにとって、イスタンブールはもう僕らの知っている中東の街ではありません。整備された道路に、近代的なビル群、そして素肌を露出しながら歩く若い女性たち。トルコに入ってからはアルコール類の入手もとても容易になりました。レストランには大抵お酒が置いてありますし、バーや酒屋もそこらじゅうにあります。おまけにイスタンブールのバーにはこんなポスターが貼ってありました。残念ながら豚肉はまだ非常に限られたところでしか食べられないようですが、厳しいイスラムの教えの中で生きている国とは明らかに違う雰囲気がそこにはありました。

イスタンブール的生活対してヨーロッパ側からイスタンブールに入って来た人たちは、みな口を揃えてもはやここはヨーロッパではないと言います。街中に林立する巨大なモスクの尖塔、オープンカフェで水煙草を吸いながらボードゲームに興じる人たち。マーケット、露店、ケバブを始めとする特徴的な食事。人々の顔つきもヨーロッパのそれとは雰囲気が違いますしね。ではイスタンブールとは一体何処の地方なのか?と考えると、もうイスタンブールはイスタンブール、何処にも属さないオンリーワンということでいいような気がしてきました。

今回は2週間程度の比較的長期な滞在だったので、様々なところを歩き回りました。そこまで「観光」と意気込むのでもなく、のんびりと散歩をしながら時折写真を撮る程度で。多くの人が暮らす大都会イスタンブールでは、観光者として気を張るのではなく、そこに暮らしているように自然体で生活するのがここち良かったです。商店街でウィンドウショッピングしたり、スポーツバーに一人でサッカーを見たりとか。

イスタンブール的生活そんな中での僕のお気に入りのスポットは新市街と旧市街を繋ぐ、ガラタ橋というところ。夕方ごろにここを歩くと、蒼から橙そして紺へと移る空をバックにカモメがゆっくりと風に乗って飛んでいて、何とも言えない哀愁が漂っているんですよね。しかも、日没は対岸のモスク越し。夕飯はそのまま橋の下にあるシーフードレストランで金角湾に反射する夜景を眺めながら取るのもアリですね。他のエリアよりも若干高めの設定ですが、中にはリーズナブルなお店もあるのでメニューを見ながら予算に合ったお店を探しましょう。

イスタンブール的生活そう、以前のエントリーでも触れていますが、トルコと言えば日本人にはお馴染み、世界三大料理の発祥の地。ギョレメでの料理もとても美味しかったのですが、特にイスタンブールは港町でもあるので近海で取れた魚介類が豊富なのです。ケバブなどに比べて若干高級な部類に入るので毎日のようには食べられませんでしたが、それでもシンさん&トモコさんと別れる前夜に一緒に食べた魚の塩焼きのジューシーさと言ったらもう。日本以外で美味しい魚の塩焼きにん出会えると思っていなかったのでこれは感動でした。もう少し予算が潤沢だったらロブスターとかにも手を出したかったんですけどねぇ。再訪する機会があったらぜひ試してみたいものです。

イスタンブール的生活そしてもう一品トルコ料理として欠かせないのが、焼きたてのトルコパンです。大抵のレストランでは何か一品頼むとパンが無料でついてくるのですが、これがほぼ例外なくモチモチフカフカで美味しいのです。トルコのあとも、様々な「パンが美味しい」と言われる国を旅することになるのですが、僕の好みではトルコのパンが一番美味しかったと自信を持って言えますね。サラダとディップソースを頼んでパンをおつまみにビールを飲むのが体にも財布にもヘルシーでよくやっていました。

トルコでのアトラクションと言えば、やはりハマムでしょう。ダマスカスで感動して以来、ハマ、ギョレメと事あるごとに利用してきたのですが、最後に本場のイスタンブールで締めるというにはいい選択だったかと。今回はシンさんと一緒に、地元の人御用達の伝統的なハマムに行ってみました。蒸気で熱せられた大理石の上に寝転がっていると体中から玉のように噴き出る汗もろとも、旅の疲れまで流れ落ちるようです。そして、今回の目玉は垢すり。髭もじゃ胸毛ボーボーのトルコ人のおっさんに体を摩られ呻き声を漏らす日本人男子2名。文字にすると何やら怪しい表現になってしまうのですが、今までに経験した中でも最強にパワフルで痛気もちさ全開。ものすごい量の垢がこぼれ落ち、シャワーを浴びた後の肌のスベスベ感は尋常じゃなかったですよ。

イスタンブール的生活そして、繰り返しますがここはトルコ。そうアルコールの飲める国です。さすがにハマムは伝統的な施設のためアルコール類は置いていなかったのですが、ここはグッとソフトドリンクの誘惑を断ち切り、黄金の液体を求めて街を歩きました。昼下がりに飲む、トルコの国民的ブランド、エフェスドラフトはたまらなくウマいです。思わず、くはぁとCMのような表情でビールを飲み干してしまいました。

それにしても、今更ながらほんとに居心地のいいところでしたね、イスタンブールは。物価もそこまで高くなく、人々も親切で、ネット環境も申し分なし。たまに客引きがうるさい時がありますけど、エジプト付近の酷さを知っている身としては可愛いものです。中東旅行の終着地としてしっかりと羽根を伸ばすことができました。そして次の目的地は、中東は中東でも別世界、遂にイスラエルへ突入です。

Where I am

Loading map..

On Twitter

Loading Tweets..

Recent Entries

From Flickr

Powered by

  • expression engine
  • midPhase
  • 世界一周ブログランキング参加中

First Class Backpacker © Satoshi Onoda. All rights reserved.