カッパドキア

Entry Info

カッパドキアでの道ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群は、世界遺産の中でも珍しい複合遺産(自然/文化両面で人類の宝と認定)という指定を受けています。ギョレメの街の周囲には奇岩が立ち並び、まさに異世界と形容するのがふさわしい光景。なんでも一部はスターウォーズエピソード1のロケ地として使われたこともあるとか。確かに写真だけ見せられたらどこかの他の星と言われても信じてしまうかもしれません。地元の人はこの奇岩をくり抜いた洞窟に近代まで住んでいたらしく、今でも至る所に住居の跡地としての洞窟が存在しています。

ギョレメでの宿

カッパドキアでの道そしてこの奇岩の中に泊ることができるのがこのギョレメの面白いところ。しかも、一般観光客向けの高級ホテルだけでなく、バックパッカー向けの安宿もいくつかあります。今回、僕らが泊ったのは例によってHostelworldで見つけたYashin's Place Backpackers Caveというところ。一緒に行動していたシンさん&トモコさんは予約なしだったのですが、オーナーのヤシンさんに相談したところ空いていた3人部屋を僕らに充ててくれることに。ヤシンさんはギョレメの街で生まれ育っているので、何処に行くにも彼に聞くとすぐにお勧めの場所を教えてもらえます。レストラン、観光ツアー、ハマムetc、彼のアドバイス(ディスカウント付!)には相当助けられました。毎朝調理された卵料理がついた美味しい朝食が付いて一人当たり20TRY(1300円位)というのはかなりお得だったかと。確かに部屋のクオリティや清潔さは一般のホテルにも劣りますが、パーソナルなサービスやホスピタリティは五つ星ホテルにも勝るものがあると感じました。

5月初旬のカッパドキアは気候が不順なため、トルコ国内としてはやや閑散期だそう。宿には僕ら以外に数組の欧米人がいるだけでしたし、ギョレメの街自体もそこまで賑わっている風には見えませんでした。しかし、何故かやたらと見かける日本人客。それもバックパッカー風ではなく、巨大な観光バスに乗ってプール付きの岩窟ホテルに入っていくようなグループが何組も。さすが日本人が大好きな目的地だなぁと思っていたら、どうやら当時は日本のゴールデンウィーク真っただ中。なるほど、そりゃ日本人の姿が多いのにも頷けます。長いこと旅行していると日付の感覚が薄くなってくるので気をつけなくてはいけません。

パックツアーのいいところ、苦手なところ

カッパドキアでの道僕自身は、パックツアーってちょっと苦手なんですよね。まぁ、そもそも団体行動ができないから気ままな一人旅をしているという事でもあるのですが。しかし、このカッパドキアというエリアはかなり広大で、ギョレメから数十キロ圏内に点在している見どころを見て回るにはツアーが一番ということで、久しぶりに参加してみたのです。でも案の定というか、結果は正直ちょっと微妙でした。確かに、有名な地下都市や修道院など個人では行きづらところをガイドによる案内で効率よく回れたのですが、この「ガイド&効率」というのが非常に問題で、個人的にはもっとゆっくりしたいところで急かされ、どうでもいいところで時間を取られという内容。まぁ、グループ全体の最大公約数的な時間配分になってしまうは団体旅行の宿命なので仕方ないですよね。ただ、詰め込み過ぎなツアーは避けるべきというのを痛感しました。おそらく、理想形は中東でやったようにタクシーを一日チャーターして、各所の入り口まで連れて行ってもらうことだとは思うのですが、バックパッカーの予算的にそれが許される場所ではなくなりつつあります。

僕に適した旅行スタイルは

カッパドキアでの道そこで、近場に関しては別の日にピクニックがてら自分たちで行ってみることにしました。効率無視の一点狙いなら行けるはず。宿で教えてもらった現地のバス情報とガイドブックに載っているざっくりとした地図だけが頼りです。近場らしいバス停で降りたら、周りに聞き込みつつ旅人の感を頼りにしながら歩く方向を決めました。完全に一人旅の場合、こういった僻地での冒険的な歩き方には若干の不安が付きまとうものなのですが、気の合う同行者がいると道に迷っている状況ですら楽しくなります。そういう意味でカップル二人旅というのはかなり羨ましい旅行形態ですよね。まぁ、たまには試練もありそうですが僕の知っている人たちはふたりの距離感がちょうどよいカップルが多く、みな楽しそうに旅行をしていました。彼らに言わせてみれば僕のような「3人目」が入ってくるのがいいスパイスにもなるようで。

カッパドキアでの道荒野の中に立ち並ぶ奇岩を横目に歩き続けること1時間程度、よくやく目指していた場所に辿りつくことができました。カッパドキアと言えばこの写真と言っても過言ではないくらいに多くのガイドブックに登場している、このキノコ岩。異なる地層が浸食の影響で云々という話もどこかで読みましたが、そんな話はどうでもよく。ギョレメの中心地とはまた違った岩の形に僕ら3人は釘づけでした。ちなみに、僕らはどうやら正規の舗装された道路ではなく地元の農道のようなところを辿ってきてしまったようなのですが、まぁ、これも気楽な個人旅行だから出来ることですよね。旅行とは目的地を堪能するだけのことではなく、到達するまでの過程も含めての旅行なのだという事をこの旅の間に強く感じています。

カッパドキアでの道帰り道はバスがなかなか来なかったので、果敢にも歩きにチャレンジ。まぁ、バスで15分程度の一本道なら1時間半くらい歩けば着くだろうと。眺めもそこそこにいい場所なのでのんびり歩くのも悪くないかと。5月の太陽が照りつける中、30分くらい歩いていると何もしていないのに現地のお兄ちゃん二人組の車が横に停まりました。片言の英語で「どこ行くの?乗せってってあげるよ」と。めちゃくちゃいい人だー。「ギョレメなんだけど」と言うと、乗ってけのサインが。おかげで残り1時間程度を歩かずにすみました。これも僕一人なら乗ることに若干躊躇してしまうのですが、こっちは3人、向こうは2人。場所柄から考えても危険度は少ないという判断ですね。たまに危なっかしい匂いもしますけど、こうやって旅の途中で地元の人の小さな優しさに触れた時にはほんとに嬉しくなります。

そんなこんなでギョレメには5日間ほど滞在していました。次の目的地はヨーロッパとアジアのかけ橋、イスタンブール。ついに世界一周、中東旅行編も終盤ですね。

Entry Info

日程的にはもう少し余裕もあったのですが、前回のエントリーにもある通り中東は既に満喫した感があったので、若干予定を早めてトルコへと向かう事にしました。今回もシンさん&トモコさんのカップルバックパッカーと一緒にトルコ中央にあるカッパドキアと言う奇岩で有名な観光地へ向かいます。どうも、僕は花より団子、観光地を見て回るよりも各地の美味しい食事を堪能していた方が幸せなようだということがこの旅行中にわかってきたのですが、トルコは中国、フランスと並んで世界三大料理発祥の地として有名な国なのです。これは期待せずにはいられません。ただ、この世界三大料理といいう概念は他の三大なんちゃらという表現と同様、日本人が勝手に定義しただけのようで、他の国の人に説明していた時にそんな言い回しは聞いたことがないと言われてしまいました。なので使いどころにはご注意を。

シリア第二の都市アレッポへ

閑話休題。シリアからトルコは陸続きなので問題なくバスで移動できます。ただし、ハマからの直行便はないため、まずは北部にあるシリア第二の都市、アレッポへ移動です。アレッポは世界遺産にも登録されている城やスークなど観光地としても有名なのですがカッパドキアに頭の中を独占されている僕らは完全にスルー。単なる中継地点として一泊だけの滞在となりました。ちなみに、アレッポでひとつだけ驚いたことがありまして、それは街中にある酒屋の多さ。ダマスカスやハマでは酒屋を探すだけでRPGの主人公よろしく町人と「話す」コマンドを連発しなくてはいけなかったのに、アレッポでは街を散歩しているだけで何件も酒屋を見かけました。地元の人たちも普通にお酒を買っているようですし。これもヨーロッパ側の国々に近づいてきた影響でしょうか。

アレッポに到着してすぐにバス会社に確認しに行ったところ、トルコ国境の街、アンタクヤ行きの便は早朝5時発の便しかないと。翌朝は4時半に眠い目をこすりながらバス停へと向かう事になりました。途中で雷雨に見舞われたり、荷物チェックで無駄にまたされたりはしましたが、通関はいつものように至って簡単。日本人ならここもビザなしでスタンプを押してもらえます。気が付いたら早くも13カ国目、トルコに入国しました。

アンタクヤの客引きたち

バスに揺られること数時間、ターミナル駅のアンタクヤに到着です。更にここからカッパドキア観光の中心となるギョレメ行きのバスを探すことになるのですが、このバスターミナルでは久しぶりに強引な客引きたちの大歓迎を受けることになりました。シリアやレバノンの客引きたちは皆、おとなしいというかこちらが目を意図的に目を合わせなければ放っておいてくれるのですが、ここの客引き達は僕らがバスから降りた途端に一斉に声をかけてきます。実は目の前にある立派すぎる建物がバスターミナルで、その中にバス会社のカウンターやATMもあるのですが、僕らがその事実に気付くのは少し後になってからのこと。早朝起床でぐったりしていた僕らは、ノコノコと客引きに着いて行ってしまったのですよね。

この客引きの兄さんが毎度のように「ノープロブレム」を連発する人で「ギョレメまで行きたいんだけど」「ノープロブレム、このバスに乗れ」、「いくら?」「ノープロブレム XXリラ(ボッタクリ価格を提示)」、「高すぎる。ガイドブックにはXXリラって書いてある」「ノープロブレム、それでいいよ」、「まだリラ持ってないんだけど」「ノープロブレム、両替商がいるところに連れて行ってやるから荷物はバスに積んでおけ」という具合に、かなり適当に話が進みます。まぁ、一応適正価格にはなったし、ギョレメまで行けるのならば大丈夫かとそのままバスに乗り込みました。

ここが終点?

トルコの長距離バスはかなり乗り心地がいいことで有名です。社内には専任の添乗員さんがいて、おしぼりのサービスから始まり、スナックやジュース、アイスなどが次々と出てきます。椅子も大きめのリクライニングシートで10時間程度のバス旅行なら全く苦にならないレベルでした。いつものように車窓を眺めながらウトウトしていたらカイセリという大きなターミナル駅にバスが止まりました。その添乗員さん曰く、ここが終点とのこと。ん?僕らはギョレメ行きのバスに乗ったはずでは?チケットを見せるとトルコ語で「カイセリ行き」と書かれているとのこと!? どうやらあの客引きにまんまとはめられたようです。彼の「ノープロブレム」という笑顔を思い出すだけで腹立たしい。バス会社の人に事情を説明しても向こうの英語が不自由すぎて思ったように伝わりません。一応、ギョレメまでは数百円程度で他の便があるようなのですが。とっとと宿に着いてのんびりしたいので、その程度の追加出費なら仕方がないかもしれません。

「ギョレメ行きって言って金払ったんだから、最後まで連れて行ってくれないとおかしいじゃないかっ!おかしいよ!」そうやってバス会社の人を怒鳴り散らしているのは一緒にいた台湾人の女の子。同じバスに乗っていたタイ人の女の子と一緒に僕ら日本人3人組はここは強いヤツに任せておくのが吉とばかりに暫く様子見です。ドライバーと添乗員さんでは手に負えず、ターミナルの中のチケットカウンターに通され、そこでも吠えまくりな彼女。ディスカウント価格を提示されても、これ以上一銭もバス会社に払う気はないと抵抗しています。15分程度たったでしょうか、そんな彼女の奮闘のおかげでバス会社がギョレメ行きのバスの無料チケットを発行してくれました。

厳密にはこのカイセリの人たちは怒鳴られるようなことは何もしていないのですけどね。問題だったのはあの適当な客引き。でも、そうやっておとなしく不条理さに従いがちな日本人に対して、おかしなことには徹底抗戦する台湾人の彼女。あの強さは見習わなくてはいけないのかもしれません。まぁ、あんな問題のある客引きを野放しにしているバス会社にも責任はあるのですし。こういうクレームが積み重なれば、少しは状況が改善されるのでしょうか。

途中、バスで隣に座っていたいかにも柄の悪そうな格好のお兄ちゃんが笑顔でガムをくれて急に和んでいたら、窓越しに今まで見たことのない形をした岩が見えてきました。ついに奇岩で有名なカッパドキアの中心地、ギョレメに到着です。

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