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26th (Thu)
Aug 2010

[day117] カッパドキアへの道

日程的にはもう少し余裕もあったのですが、前回のエントリーにもある通り中東は既に満喫した感があったので、若干予定を早めてトルコへと向かう事にしました。今回もシンさん&トモコさんのカップルバックパッカーと一緒にトルコ中央にあるカッパドキアと言う奇岩で有名な観光地へ向かいます。どうも、僕は花より団子、観光地を見て回るよりも各地の美味しい食事を堪能していた方が幸せなようだということがこの旅行中にわかってきたのですが、トルコは中国、フランスと並んで世界三大料理発祥の地として有名な国なのです。これは期待せずにはいられません。ただ、この世界三大料理といいう概念は他の三大なんちゃらという表現と同様、日本人が勝手に定義しただけのようで、他の国の人に説明していた時にそんな言い回しは聞いたことがないと言われてしまいました。なので使いどころにはご注意を。

シリア第二の都市アレッポへ

閑話休題。シリアからトルコは陸続きなので問題なくバスで移動できます。ただし、ハマからの直行便はないため、まずは北部にあるシリア第二の都市、アレッポへ移動です。アレッポは世界遺産にも登録されている城やスークなど観光地としても有名なのですがカッパドキアに頭の中を独占されている僕らは完全にスルー。単なる中継地点として一泊だけの滞在となりました。ちなみに、アレッポでひとつだけ驚いたことがありまして、それは街中にある酒屋の多さ。ダマスカスやハマでは酒屋を探すだけでRPGの主人公よろしく町人と「話す」コマンドを連発しなくてはいけなかったのに、アレッポでは街を散歩しているだけで何件も酒屋を見かけました。地元の人たちも普通にお酒を買っているようですし。これもヨーロッパ側の国々に近づいてきた影響でしょうか。

アレッポに到着してすぐにバス会社に確認しに行ったところ、トルコ国境の街、アンタクヤ行きの便は早朝5時発の便しかないと。翌朝は4時半に眠い目をこすりながらバス停へと向かう事になりました。途中で雷雨に見舞われたり、荷物チェックで無駄にまたされたりはしましたが、通関はいつものように至って簡単。日本人ならここもビザなしでスタンプを押してもらえます。気が付いたら早くも13カ国目、トルコに入国しました。

アンタクヤの客引きたち

バスに揺られること数時間、ターミナル駅のアンタクヤに到着です。更にここからカッパドキア観光の中心となるギョレメ行きのバスを探すことになるのですが、このバスターミナルでは久しぶりに強引な客引きたちの大歓迎を受けることになりました。シリアやレバノンの客引きたちは皆、おとなしいというかこちらが目を意図的に目を合わせなければ放っておいてくれるのですが、ここの客引き達は僕らがバスから降りた途端に一斉に声をかけてきます。実は目の前にある立派すぎる建物がバスターミナルで、その中にバス会社のカウンターやATMもあるのですが、僕らがその事実に気付くのは少し後になってからのこと。早朝起床でぐったりしていた僕らは、ノコノコと客引きに着いて行ってしまったのですよね。

この客引きの兄さんが毎度のように「ノープロブレム」を連発する人で「ギョレメまで行きたいんだけど」「ノープロブレム、このバスに乗れ」、「いくら?」「ノープロブレム XXリラ(ボッタクリ価格を提示)」、「高すぎる。ガイドブックにはXXリラって書いてある」「ノープロブレム、それでいいよ」、「まだリラ持ってないんだけど」「ノープロブレム、両替商がいるところに連れて行ってやるから荷物はバスに積んでおけ」という具合に、かなり適当に話が進みます。まぁ、一応適正価格にはなったし、ギョレメまで行けるのならば大丈夫かとそのままバスに乗り込みました。

ここが終点?

トルコの長距離バスはかなり乗り心地がいいことで有名です。社内には専任の添乗員さんがいて、おしぼりのサービスから始まり、スナックやジュース、アイスなどが次々と出てきます。椅子も大きめのリクライニングシートで10時間程度のバス旅行なら全く苦にならないレベルでした。いつものように車窓を眺めながらウトウトしていたらカイセリという大きなターミナル駅にバスが止まりました。その添乗員さん曰く、ここが終点とのこと。ん?僕らはギョレメ行きのバスに乗ったはずでは?チケットを見せるとトルコ語で「カイセリ行き」と書かれているとのこと!? どうやらあの客引きにまんまとはめられたようです。彼の「ノープロブレム」という笑顔を思い出すだけで腹立たしい。バス会社の人に事情を説明しても向こうの英語が不自由すぎて思ったように伝わりません。一応、ギョレメまでは数百円程度で他の便があるようなのですが。とっとと宿に着いてのんびりしたいので、その程度の追加出費なら仕方がないかもしれません。

「ギョレメ行きって言って金払ったんだから、最後まで連れて行ってくれないとおかしいじゃないかっ!おかしいよ!」そうやってバス会社の人を怒鳴り散らしているのは一緒にいた台湾人の女の子。同じバスに乗っていたタイ人の女の子と一緒に僕ら日本人3人組はここは強いヤツに任せておくのが吉とばかりに暫く様子見です。ドライバーと添乗員さんでは手に負えず、ターミナルの中のチケットカウンターに通され、そこでも吠えまくりな彼女。ディスカウント価格を提示されても、これ以上一銭もバス会社に払う気はないと抵抗しています。15分程度たったでしょうか、そんな彼女の奮闘のおかげでバス会社がギョレメ行きのバスの無料チケットを発行してくれました。

厳密にはこのカイセリの人たちは怒鳴られるようなことは何もしていないのですけどね。問題だったのはあの適当な客引き。でも、そうやっておとなしく不条理さに従いがちな日本人に対して、おかしなことには徹底抗戦する台湾人の彼女。あの強さは見習わなくてはいけないのかもしれません。まぁ、あんな問題のある客引きを野放しにしているバス会社にも責任はあるのですし。こういうクレームが積み重なれば、少しは状況が改善されるのでしょうか。

途中、バスで隣に座っていたいかにも柄の悪そうな格好のお兄ちゃんが笑顔でガムをくれて急に和んでいたら、窓越しに今まで見たことのない形をした岩が見えてきました。ついに奇岩で有名なカッパドキアの中心地、ギョレメに到着です。

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前のエントリー:[day117] シリア遺跡ツアー

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