世界遺産

Entry Info

日程的にはもう少し余裕もあったのですが、前回のエントリーにもある通り中東は既に満喫した感があったので、若干予定を早めてトルコへと向かう事にしました。今回もシンさん&トモコさんのカップルバックパッカーと一緒にトルコ中央にあるカッパドキアと言う奇岩で有名な観光地へ向かいます。どうも、僕は花より団子、観光地を見て回るよりも各地の美味しい食事を堪能していた方が幸せなようだということがこの旅行中にわかってきたのですが、トルコは中国、フランスと並んで世界三大料理発祥の地として有名な国なのです。これは期待せずにはいられません。ただ、この世界三大料理といいう概念は他の三大なんちゃらという表現と同様、日本人が勝手に定義しただけのようで、他の国の人に説明していた時にそんな言い回しは聞いたことがないと言われてしまいました。なので使いどころにはご注意を。

シリア第二の都市アレッポへ

閑話休題。シリアからトルコは陸続きなので問題なくバスで移動できます。ただし、ハマからの直行便はないため、まずは北部にあるシリア第二の都市、アレッポへ移動です。アレッポは世界遺産にも登録されている城やスークなど観光地としても有名なのですがカッパドキアに頭の中を独占されている僕らは完全にスルー。単なる中継地点として一泊だけの滞在となりました。ちなみに、アレッポでひとつだけ驚いたことがありまして、それは街中にある酒屋の多さ。ダマスカスやハマでは酒屋を探すだけでRPGの主人公よろしく町人と「話す」コマンドを連発しなくてはいけなかったのに、アレッポでは街を散歩しているだけで何件も酒屋を見かけました。地元の人たちも普通にお酒を買っているようですし。これもヨーロッパ側の国々に近づいてきた影響でしょうか。

アレッポに到着してすぐにバス会社に確認しに行ったところ、トルコ国境の街、アンタクヤ行きの便は早朝5時発の便しかないと。翌朝は4時半に眠い目をこすりながらバス停へと向かう事になりました。途中で雷雨に見舞われたり、荷物チェックで無駄にまたされたりはしましたが、通関はいつものように至って簡単。日本人ならここもビザなしでスタンプを押してもらえます。気が付いたら早くも13カ国目、トルコに入国しました。

アンタクヤの客引きたち

バスに揺られること数時間、ターミナル駅のアンタクヤに到着です。更にここからカッパドキア観光の中心となるギョレメ行きのバスを探すことになるのですが、このバスターミナルでは久しぶりに強引な客引きたちの大歓迎を受けることになりました。シリアやレバノンの客引きたちは皆、おとなしいというかこちらが目を意図的に目を合わせなければ放っておいてくれるのですが、ここの客引き達は僕らがバスから降りた途端に一斉に声をかけてきます。実は目の前にある立派すぎる建物がバスターミナルで、その中にバス会社のカウンターやATMもあるのですが、僕らがその事実に気付くのは少し後になってからのこと。早朝起床でぐったりしていた僕らは、ノコノコと客引きに着いて行ってしまったのですよね。

この客引きの兄さんが毎度のように「ノープロブレム」を連発する人で「ギョレメまで行きたいんだけど」「ノープロブレム、このバスに乗れ」、「いくら?」「ノープロブレム XXリラ(ボッタクリ価格を提示)」、「高すぎる。ガイドブックにはXXリラって書いてある」「ノープロブレム、それでいいよ」、「まだリラ持ってないんだけど」「ノープロブレム、両替商がいるところに連れて行ってやるから荷物はバスに積んでおけ」という具合に、かなり適当に話が進みます。まぁ、一応適正価格にはなったし、ギョレメまで行けるのならば大丈夫かとそのままバスに乗り込みました。

ここが終点?

トルコの長距離バスはかなり乗り心地がいいことで有名です。社内には専任の添乗員さんがいて、おしぼりのサービスから始まり、スナックやジュース、アイスなどが次々と出てきます。椅子も大きめのリクライニングシートで10時間程度のバス旅行なら全く苦にならないレベルでした。いつものように車窓を眺めながらウトウトしていたらカイセリという大きなターミナル駅にバスが止まりました。その添乗員さん曰く、ここが終点とのこと。ん?僕らはギョレメ行きのバスに乗ったはずでは?チケットを見せるとトルコ語で「カイセリ行き」と書かれているとのこと!? どうやらあの客引きにまんまとはめられたようです。彼の「ノープロブレム」という笑顔を思い出すだけで腹立たしい。バス会社の人に事情を説明しても向こうの英語が不自由すぎて思ったように伝わりません。一応、ギョレメまでは数百円程度で他の便があるようなのですが。とっとと宿に着いてのんびりしたいので、その程度の追加出費なら仕方がないかもしれません。

「ギョレメ行きって言って金払ったんだから、最後まで連れて行ってくれないとおかしいじゃないかっ!おかしいよ!」そうやってバス会社の人を怒鳴り散らしているのは一緒にいた台湾人の女の子。同じバスに乗っていたタイ人の女の子と一緒に僕ら日本人3人組はここは強いヤツに任せておくのが吉とばかりに暫く様子見です。ドライバーと添乗員さんでは手に負えず、ターミナルの中のチケットカウンターに通され、そこでも吠えまくりな彼女。ディスカウント価格を提示されても、これ以上一銭もバス会社に払う気はないと抵抗しています。15分程度たったでしょうか、そんな彼女の奮闘のおかげでバス会社がギョレメ行きのバスの無料チケットを発行してくれました。

厳密にはこのカイセリの人たちは怒鳴られるようなことは何もしていないのですけどね。問題だったのはあの適当な客引き。でも、そうやっておとなしく不条理さに従いがちな日本人に対して、おかしなことには徹底抗戦する台湾人の彼女。あの強さは見習わなくてはいけないのかもしれません。まぁ、あんな問題のある客引きを野放しにしているバス会社にも責任はあるのですし。こういうクレームが積み重なれば、少しは状況が改善されるのでしょうか。

途中、バスで隣に座っていたいかにも柄の悪そうな格好のお兄ちゃんが笑顔でガムをくれて急に和んでいたら、窓越しに今まで見たことのない形をした岩が見えてきました。ついに奇岩で有名なカッパドキアの中心地、ギョレメに到着です。

Entry Info

22nd (Sun)
Aug 2010

[day117] シリア遺跡ツアー

シリア遺跡ツアーシリアは紀元前から人が住み、旧約聖書の主要な舞台となるほどの歴史のある国です。しかも、そこまで開発されていないため観光客が他の国に比べて少ない場所が多数。今回はダマスカスとパルミラ滞在中に回った遺跡をまとめて紹介します。

パルミラ遺跡

シリア遺跡ツアーダマスカスの滞在中には一人バスに乗ってパルミラ遺跡というところへ。ミニバスでバスターミナルまで行き、そこからパルミラへ3時間くらい。ここはシリア中部では最大級の遺跡で、今でも3世紀ごろに建てられたローマ様式の建物が色々と残っています。巨大な神殿や、保存状態のいい円形劇場、柱の続く道などなど、いろいろなタイプの遺跡を見ることができる、一粒で何度も美味しい場所と言えるでしょう。遺跡の規模の割に観光客の数はそこまで多くもなく、のんびりと写真を撮って周ることができました。

シリア遺跡ツアー神殿の中を歩いていたら現地の小学生らしきグループに声をかけられました。一緒に写真を撮ってくれと身振り手振りで伝えてきます。ルクソール編でも書きましたがこの地域の子供たちにとって僕らのような東アジア系人種はかなり珍しいみたいですね。僕もカメラを向けてみたら大混乱。そしてそれを笑顔で見守る先生。なかなか微笑ましい光景でした。でも現地の子供でも物売りの子たちは要注意ですよ。彼らの辞書には「Buy this」「Give me」しかありませんから。残念なことに、純粋で曇りのない瞳と売り物になってしまった瞳の違いはかなり見分けられるようになってしまいました。帰国後、日本の子供たちの目はどんな風に見えるんでしょうね。

シリア北部プライベートツアー

シリア北部の遺跡群巡りにはハマのリアドホテルで手配してもらったプライベートツアーを利用することにしました。シンさん&トモコさんともう一人同宿の日本人のおじさんと一緒です。8時間程度の行程で三か所の遺跡をぐるっと回るツアーが一人当たり700SYP(1400円位)なら全く問題ないかと。一応、ローカルのバスで行く方が安くは上がるようなのですが、その差はごく僅かなもので時間の節約にもなるので今回は楽をしてしまいた。チャーターなら、バスの時間を気にする必要もないですし、車の中でも音楽を流したりしながらリラックスできますからね。同行者がいるのならばプライベートツアーはかなりお得かと。

アパメア遺跡

シリア遺跡ツアー最初の目的地はアパメア遺跡。シリア中南部最高の遺跡であるパルミラに対して、北部のアパメアという扱いらしく、延々とローマ様式の柱が立ち並んでいます。その距離、なんと約2キロ。これは興奮、、しなかったのです、残念ながら。だって同じようなのをパルミラでも見ているので。写真を見返すと石の材質とか植生とか色々と違いが見えて面白いのですが、現場ではそんな細かいことはよくわからず。基本は柱だけであとは「浴場跡」「図書館跡」という名前の瓦礫のみ。どちらかしか行けないというのならば僕は間違いなく保存状態がよく種類も豊富なパルミラを推しますね。

マスヤーフ城

シリア遺跡ツアー続いて向かったのはマスヤーフ城。リアドホテルのおっちゃんの話だと、かなり保存状態もよく、シリア観光の穴場的な城だということだったのですが僕らの反応は「あー、城だねぇ」と。多分、ここも旅行初日に来ていたらもう少し違う反応ができていたのでしょうが、既に完全な不感症になってます。そして、ここでもローカルの子供たちの遠足グループが登場。しかも、今回は城塞のため道が狭いのです。子供たちからは声援が送られ握手をせがまれ、どこぞのスーパースターがコンサート後に通る花道の様相を呈してました。SP、もとい先生の制止も聞かず手を伸ばしてきます。まぁ、これも純粋な好奇心から来るものなので不快ではなかったのですよ。なかなか面白い経験をさせてもらったということで。

天空の城、クラックデシュバリエ

シリア遺跡ツアーそして最後の目的地は、天空の城ラピュタのモデルになったと旅人達に噂されるクラックデシュバリエです。僕らの間でもこのクラックデシュバリエがハマ発のツアーにおける一番の目的地になっていました。前のふたつはいわば前座です。城に向かう車の中ではiPhodの中に入れておいたラピュタのテーマを聞いて気分を高めました。今更ながら「君を乗せて」は旅人向きの歌詞ですよね。標高600mの小高い山の上に堀まで作ってしまった西洋式の城塞は、かつては難攻不落の要所だったとか。青い空とツタの絡まった城壁のコントラストは確かにラピュタっぽい雰囲気を醸し出してますね。ただ、どちらかというとラピュタというよりシータが囚われていたムスカの要塞の方が佇まいとして近いかも。城からの眺めも勿論、タクシーの運ちゃんが連れて行ってくれた城を一望できるスポットからの眺めも素敵でした。

シリア遺跡ツアー城壁の周りを歩きながら散歩して、中に入ったら何故か甲冑をまとったり、後ろ手にロープに繋がれたりした人々が。観光地的な余興でもされるのかと一瞬嫌気が差したのですが、実はこれ、ローカル映画の撮影中でした。でも、ここはシリアなのに何故か衣装はエジプト風だったり、門の前にスフィンクスが置かれていたりして、一部雰囲気ぶち壊しだったことは否めないのですが、まぁ、なかなか見ることのできない光景であることは確かなのでよしとしましょうか。

中東の遺跡を見て回って

楽しい旅行記であるはずなのに、若干旅行に対してネガティブなイメージを出してしまったかもしれません。でも、これが僕の意図していた旅のスタイルでもあるのです。短期の旅行だと見る物全てが目新しく、ガイドブックの隅々まで制覇しようという気になってしまうものなのですが、長期旅行だとそのテンションをずっと保つのはかなり難しく(たまに常にハイテンションを保たれている方もいますけど)、中途半端なことはどうでもよくなってしまいます。でもそんな精神状態だからこそ「ハンパない」ことに出会えた時の感動はかなり大きいのです。例えばペトラやカルナックを初めて見た時の興奮は今でも忘れられません。あの鳥肌が立つ瞬間が好きで僕は旅をしているのでしょう。

では、このエリアも十分に堪能したので、そろそろ次の国、トルコに向かう事にします。

Entry Info

ダマスカス一人歩き友人たちと別れた後も僕はダマスカスに残り、いつものように気ままな一人歩きの時間です。やっぱり僕は誰にも気を使わずにのんびりする時間が好きなので、こうして一人で街をフラフラしている時間が一番落ち着くようです。ダマスカスは10,000年以上も前から人が定住し始め、世界で最も古い都市のひとつと呼ばれています。様々な文明による征服に次ぐ征服で古代の都市は地下深くに埋もれているようですが、今も残る旧市街にも1,000年以上の歴史があるそう。そんなダマスカス旧市街最大の魅力は、イスラム教地区とキリスト教地区というふたつの全く違った雰囲気の地区を行ったり来たりしながら歩けることかと。

ダマスカス イスラム教地区

ダマスカス一人歩き街の中心にはイスラム教の聖地のひとつで世界最大規模のモスク、ウマイヤドモスクがあり世界中からやって来た巡礼者で賑わっています。そのモスクから延びる巨大なスーク(商店街)には様々な商品を扱う店が連なり、現地の人曰く「このスークで手に入らない物は無い」とか。まぁ、その言い草は東京という最強の買い物都市から来た身としては笑止千万もいいところなのですが、それでも確かに近隣諸国に比べて商店が充実していたことは確かです。カッコいい革製品なども多く、もし自分が雑貨屋のバイヤーをやっていたら絶対に買い付けに来るだろうと街を歩きながら考えていました。

ダマスカス キリスト教地区

ダマスカス一人歩き対してキリスト教地区は若干落ち着いた印象。巨大なスークのようなものは無く、ひんやりとした石畳の路地を歩いていると、いたるところに小さな教会やミステリアスな土産物屋を見つけることができます。シリアという国はイスラム教を国教に制定している国なのですが、そもそもこの都市にはイスラム教が発生する前からキリスト教徒が代々住み続けているのです。キリスト教地区には旧約聖書にも記載がある教会や道が今でも残っています。個人的にはこちらのエリアの方が探検のし甲斐があって好きでしたね。

ハンマームに挑戦

ダマスカス一人歩き今回、僕はイスラム地区でハンマームと呼ばれるいわゆるトルコ風呂(卑猥なやつじゃなくてオリジナルの意味ですよ!)に挑戦してみました。なんでも7世紀から営業し続け、十字軍の兵士たちも利用したという由緒正しき場所です。日本の銭湯と同じように現地の男性たちの一種の社交場のような側面も持っているようなのですが、外国人の僕が行っても快く迎えてもらえました。服を脱いで体にタオルを巻いたら、まずはドライサウナに入ります。このサウナが本当に気持ち良かった。体中に貯まったいけない物が一斉に排出されていくような感覚。「自分、疲れてるんだな」という事を激しく痛感しました。その後、スチームサウナの中で体を洗い、髭、胸毛もじゃもじゃなアラブ人のおっさんがによる垢すり&マッサージ。こちらが痛さで呻いているのもお構いなしに「ガハハ」と笑いながらサービスしてくれました。いや、まぁ気持ちいいことは気持ちよかったですよ。

風呂上がりには脱衣所でタオル巻きになりながら軽く一服。ここでキーンと冷えたビールを頼みたいところなのですが、ハンマームはイスラム教徒の施設のため当然アルコールはなし、コーラでの一服となりました。気になるお会計はフルセットメニューで600SYP(1200円位)。現地の生活物価としてはそこそこのレストラン一回分程度と、それなりにいい値段がしますけど、まぁ、日本で大江戸温泉に行くような感覚ですかね。お会計を済ますとアラビックコーヒーが出てきました。これで風呂上がりの眠気もスッキリですね。

伝説のクロワッサン

ダマスカス一人歩きダハブに滞在していた時に北から下って来た旅人達が口を揃えて絶賛していたダマスカスのクロワッサン。キリスト教地区の路地裏には日本人旅行者の間で伝説的な話題になっている小さなパン屋があります。エクレアなどのスイーツ類も売っていますが、ここの主力商品であるチョコクロワッサンがバターがすごく利いていて半端なく美味しいのです。早く食べないとパンの油が紙袋に移ってしまうくらいに。しかも、ひとつ20SYP(40円位)とかなりお買い得。胃が小さめの人ならこれひとつでランチにできる大きさです。路地をかなり入ったところにあるので若干見つけづらいのですが、これからダマスカスに行く予定のある人はぜひ探してみて欲しいですね。キリスト教地区自体はそこまで広くないので、地図なしで歩き回っていても絶対に目にする機会はあると思います。何回か利用しましたが、お店の前には常に現地の人で軽い行列ができているうえに、路地裏までバターの匂いが充満しているのですぐにわかるかと。

ダマスカス食生活

このクロワッサンを始め、ダマスカスでは庶民のための食事が非常に充実している印象があります。適当に道を歩いていて買うケバブサンド(日本で言うところのラップサンド)は日々の主食になってましたし、その場で絞ってくれるフレッシュジュースもビタミン補給を口実に毎日のように飲んでいました。僕のお気に入りはマンゴーかバナナですかね、やっぱり。そして欠かせないのがジェラートです。イスラム教地区の大きなスークの中には現地でも有名なジェラート屋があるのですが、ここのミルクジェラートが滑らかで美味しいこと。スークの中を歩き回る片手に手放せないアイテムです。直前に滞在していたベイルートとは完全に違った食生活になりましたが、やはり食事はその街の中心層をターゲットとした分野が一番充実するのでしょうね。

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