Jul 2010
[day111] 友人とダマスカス
レバノンでの一週間の滞在後は、改めてダマスカスに戻りです。今回は14日間の観光ビザを取得して国内をゆっくりと回ろうかと。そして何より楽しみなのが、ダハブで会ったカップルバックパッカーのシンさん&トモコさんとダマスカスで再開予定だということ。ダハブからペトラ、アンマンと一緒に旅をした後で、僕はレバノン、彼らはイスラエルと違う目的地へ向かったのですが、お互い同じ時期にシリアに抜けてくるということでダマスカス集合ということになっていました。一応、当日に僕がダマスカスに到着するのはメールで連絡済み。無事に彼らに会えるだろうかと心配しながら、安宿が集まるマルジェ広場付近でタクシーを降りて歩いていると何やらこちらに向かって手を振っている人が見えます。あ、シンさんじゃないですか。なんでも僕の行動パターンを予測して、付近でお茶をしながら待っていてくれたそうで。この突然の出迎えには正直驚かされました。
その日の晩は彼らと一緒に名物の鳥の丸焼を食べることに。一羽をまるっと回転グリルで焼かれたものが240SYP(500円弱)はとってもお買い得。宿に持ち帰って、素手で引きちぎるとグリルによって閉じ込められていた肉汁が一気に滴り落ちます。それを包み紙的に使われ、肉のうまみがしみこんだ薄いパン生地と一緒に食べるのです。シリアで食べた中では最高にウマい食事だったかもしれません。そして、そんなジューシーな鳥肉に欠かせないのは冷えたビール。僕らの宿があったダマスカス新市街はイスラム教徒の街だったので、酒屋がなかなか見つからず大変だったのですが、周囲の人に手当たり次第に聞いたところ、街の片隅に小さな酒屋を発見。お互いの旅について語らいあいながら飲むビールと言うのは格段にうまいですね。
そしてシンさん&トモコさんは翌日からはレバノン行きで一週間弱の滞在予定とのこと。どうやらここで僕のフレッシュなレバノン情報が役立つ時が来たようです。彼らからはエルサレムの宿情報などイスラエルに関する情報を色々もらうことができました。こうやって旅仲間から情報が交換できるのがまた楽しいわけです。彼らとはこのあとシリア北部のハマという街でまた再会の約束を交わしました。お互い日程は厳密ではありませんが、きっと一週間後くらいにはその街近辺にいるだろうと言うことで。そして、もうひとつ重要な情報が。「イヨちゃんが明日ダマスカスに帰ってくるらしいから、よろしくね」と。
イヨちゃんもダハブで会ったメンツの一人で、イスラエルに行くために僕らよりも早くダハブを発っていたのですが、なんとその後アンマンで偶然合流。僕とはダマスカスまで来て一緒に中華を食べた仲です。ふたりを見送ったあとで、彼女が滞在しているはずの旧市街の宿を訪ねて行ってみると今は留守中とのこと。仕方がないので旧市街イスラム地区名物のアイスクリームを片手に街をぷらぷら散歩していると、目の前から見慣れたアジアンファッションの小さな女性が。お互い「あっー!」と叫んでいます。ダマスカスという街自体はかなり大きいのですが、僕らのような余所者が歩き回る場所は限られているので、意外とあっさり出くわしてしまうようです。
少し立ち話をしたところ彼女はシリア国内をぐるっと回ってダマスカスに戻って来たところで、翌朝のフライトで日本に帰国するそう。彼女の半年間の海外放浪もいったんここで終了です。そこで彼女の海外ラストディナーをご一緒するという光栄に預かることになり、旧市街のキリスト教地区に少し洒落た洋風レストランに入ってみることにしました。キリスト教地区には細い路地裏に隠れ家的なレストランが点在していて、現地の若者がも多く利用しているようです。
メニューが渡されると、何やら彼女が目をシロクロさせています。どうした?と聞いてみると、彼女のメニューには値段が書かれていないと。そうきましたか。これは「値段を気にせず好きなものを頼んでね?」というお店からゲストへの心遣い。当然、僕の方にはしっかりと数字が書かれています。まさかダマスカスでこれをされるとは思っていもいなかった。はい、今晩は奢らせてもらいます。まぁ、もとからその腹づもりではいたのですけどね。アラカルトの洋食とカクテル数杯(非常に残念ながらノンアルコールオンリー!)を飲んでも、レバノンでの食事よりも安いのですから問題なしとしておきましょう。
食事中や散歩中に彼女からはシリアのお勧めスポットや宿情報を色々と教えてもらいました。そして不要になった地球の歩き方ヨルダン/シリア/レバノン編をゲット!僕は基本的にガイドブックは持ち歩かない主義なのですが、ネットでの情報が頼りないこの地域では紙の情報というのはとても便利そうです。それにしてもこうやって見知らぬ国で友達と出会い、また再会するという行為はかなり面白いですね。今更ながらダハブで沈没しておいてよかったなぁと。あそこで出会った人たちとはこれからも色々な場所で再会する気がしています。