Sep 2010
[day125] イスタンブールの日本人宿
アジアとヨーロッパの掛け橋、その言葉が文字通り当てはまるのがボスポラス海峡にまたがって広がるトルコ最大の都市、イスタンブールです。当初の日程ではギョレメからパムッカレという石灰棚と温泉で有名な保養地を訪ねることも考慮に入っていたのですが、当時は完全な観光地をハイテンションで過ごすというよりも、むしろ都市型の生活でのんびりしたいという気持ちの方が強く、シンさん&トモコさんと一緒にイスタンブールを目指すことにしました。ギョレメから夜行バスに乗って10時間程度、街のシンボルとも言える巨大なモスクの尖塔が見えてきたときにはかなり興奮しましたよ。
イスタンブールはボスポラス海峡を境にアジア側、ヨーロッパ側と別れています。多くの歴史的見どころが集まっているのはヨーロッパ側の南側、金角湾によって隔てられた旧市街エリアです。その北側にある新市街は近代的なビルとショッピングエリアが広がった大都会になっています。計画段階から楽しみにしていて街だったということもあり、事前に新市街と旧市街でそれぞれ5泊ずつ、合計10日間の宿をhostelworld経由で予約していたのですが、やや前倒しで到着してしまったので繋ぎの宿を確保しなくてはいけません。そこで、今回は中東を巡る日本人バックパッカーの常宿となっているツリーオブライフというところを利用してみることにしました。
ブルーモスクから徒歩10分弱、トラムの走るメインストリートから一本入った雑居ビルの中にツリーオブライフはありました。薄暗い階段を上って4階のレセプションまで行くと、そこは絵に描いたような典型的な日本人宿。本棚には地球の歩き方と漫画がギッシリで、どの時間に行っても誰かがタバコをふかしながらそれらの本を読み漁っています。ちなみに、ここで働いているスタッフの人は正規雇用者ではなく、長期滞在している人が宿代(+お小遣い)と引き換えに住み込みで「管理人さん」をやっているようです。オーナーさんは別のところに住んでいてたまに顔を出す程度とのこと。実は法的にはグレーゾーンらしいのですが、宿代を節約したい貧乏旅行者と、人件費を節約したいオーナーさんとのウィンウィンソリューション。ビジネスモデル的にはありかもしれません。
このツリーオブライフの魅力は何と言ってもその安さ。ドミトリーが1泊8ユーロというのはイスタンブール価格としては激安の部類に入ります(ちなみに後日滞在することになるhostelworld経由で予約したところは1泊15ユーロします)。しかも、同宿の日本人同士で一緒に自炊してしまえば生活費は更に劇的に下がってしまうわけで。滞在費を出来るだけ低く抑えたい貧乏旅行者には最適の宿と言えるのではないでしょうか。しかも、世界中の地球の歩き方が揃っている上に、運が良ければその足で実際に旅してきた人たちも滞在している可能性があるのです。今後の旅のプランを練るにもよさそうですね。
ただ、僕自身は正直なところ宿に流れている雰囲気がちょっと苦手でした。言い方は悪いかもしれませんが、淀んでいるというか、日本人の旅人の特徴的な人生に退屈したグダグダな感じが漂っているのです。ダハブのセブンヘブンは、ダイビングに夢中な人が殆どで潜らない人たちも毎日の暮らしを楽しんでいたのですが、このツリーオブライフでは「ヒマだ、今日は何をしよう」的な会話が聞こえてくるんですよね。面白そうなことはそこらへんに転がっているにも関わらず。まぁ、直接話してみればいい人たちが多く、よく話に聞く「偉そうな古株」な人はいなかったので、表面上の人間関係はスムーズでしたけど。ある意味これも日本人的。あとは、お世辞にも清潔といは言えないところも僕にはマイナス。激安宿なので文句を言えないところではあるのですが、プロじゃない管理人さん一人に清掃まで任せておくには限界がありそうです。
それでも、これは単に僕の嗜好と合わなかったのが問題というだけで、安さとか日本人の仲間、情報に重きを置いている人たちには、ツリーオブライフはかなりアリな選択肢になると思いますよ。僕自身、最終日はひたすらスラムダンクを読み続け、一晩で全巻制覇とかしてしまいましたし。こんな外国まで来て日本の漫画を読み耽っているなんてかなり不思議なシチュエーションなのですが、ある意味日本人宿を満喫したと言っていいのではないかと。
では、僕がhostelworldで見つけた宿はどんなところか、という話はこのエントリーが長くなりつつあるので、次回に続きます。せっかくなのでhostelworldの利用に対するティップス的な内容も書いてみますね。